「渋谷ハロウィーン騒動」が東京五輪とラグビーW杯に飛び火する危険性:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
渋谷の街が、今年も荒れに荒れた。ハロウィーンである。たくさんの若者たちがやって来て大騒ぎをしていたが、このままで本当にいいのか。“渋谷暴徒化”を未然に阻止しなければ、ラグビーW杯や東京五輪に飛び火する危険性があるのだ。
彼らが騒ぐ理由はなんでもいい
ハロウィーンだけではない。この渋谷のスクランブル交差点近辺はサッカー日本代表がワールドカップで勝利した際にも「フーリガン」たちが乱痴気騒ぎを繰り広げる危険スポットとしても有名だ。要は本当にハロウィーンやサッカー日本代表の勝利を喜んでいる人はほんの一握りで、渋谷に集まる残りの大半が「何でもいいから無礼講で騒ぎたい」という無責任極まりない思いにかられている。ハロウィーンやサッカーなんて別にどうだっていいのだ。
この一連の騒動を受けて渋谷区長も怒りをあらわにしながら厳しい言葉を発している。当たり前だ。というよりも、苦言を呈するのが遅過ぎたぐらいで何をいまさらである。警察もハロウィーン当日の10月31日には人員を増やして警備に当たったとはいえ、バカ騒ぎ目的で次々とやって来る人たちの抑止力にはつながらず“カオス状態”は未明まで続いていた。
メディアのインタビューに対し、堂々と「他の町のハロウィーンは家族連れが多いけれど、渋谷なら若い人たちが多くて騒げるから来た」と言い切る確信犯までいたほどだ。この分だと渋谷の治安回復は当面の間、そう簡単に望めそうもない。
渋谷のハロウィーン騒動はスポーツ界とも無関係ではない。今後、日本で開催されるスポーツの国際イベントに飛び火しそうな気配が漂ってきているからである。2019年のラグビーW杯、そして20年の東京五輪だ。
もしかすると「さすがにラグビーで騒ぐことはないよ」「ハロウィーンやサッカー日本代表と比較したラグビーの注目度は雲泥の差がある」などと感じられたかもしれないが、そういう楽観主義者の人たちは渋谷の騒ぎを余りにも甘く見過ぎている。もはや渋谷でバカ騒ぎするルール無用の連中には前例などという枠組みも当てはまらない。彼らが騒ぐ理由は別にどんなことでもいいからだ。
ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ率いるラグビー日本代表が快進撃を果たし、日本全土が盛り上がるのは大いに結構なことだと思う。だが、これまでのハロウィーンやサッカーW杯の日本代表戦によって「騒げる街、渋谷」の誤ったイメージが定着してしまったことにより、初の日本開催となる来年のラグビーW杯でまた同じような光景が繰り返されるかもしれないと不安を抱く大会関係者は少なくない。
ジェイミージャパンの戦いぶりが渋谷でワーワーと騒ぎ立てる暴徒たちの新たなターゲットとなる可能性も確かに否定できないのだ。実際に日本ラグビー協会の関係者は次のように神経を尖らせている。
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