テレビ参入のアイリスオーヤマ、「今回はテスト販売」と告白 本気出すのは19年?:顧客からの反応聞きたい
アイリスオーヤマが黒物家電市場に参入し、11月22日にテレビ「LUCA」シリーズを発売する。収益基盤を拡大する狙いだが、広報担当者は「今回はあくまでテスト販売」と明かす。顧客から得たフィードバックを踏まえて新商品を開発し、19年に出す予定という。
アイリスオーヤマは11月5日、黒物家電市場に参入し、22日にテレビを発売すると正式発表した。シリーズ名は「LUCA」で、ハイビジョンモデル、フルハイビジョンモデル、4K対応モデルの3シリーズ7機種をそろえ、多様なニーズに対応する。価格(税別、以下同)は4万9800円〜14万8000円。今年7月に策定した中期経営計画で、2022年にグループ売上高1兆円を目指す目標を掲げており、達成に向けて収益基盤を拡大する狙いだ。
独自機能を持つテレビは19年に出す
ただ、今回出すモデルはシンプルな機能のみを備え、「あくまでテスト販売という位置付け」(広報担当者、以下同)という。初年度の出荷目標は7機種合計で3万台程度で、「顧客の反応や要望を聞き、それを踏まえて、当社の開発コンセプト『なるほど家電』に即した独自機能を持つテレビを19年に開発・発売し、本格参入する予定だ」という。
同社は09年に家電事業に参入。13年に開設した「大阪R&Dセンター」(大阪・心斎橋)では大手家電メーカー出身者を積極的に採用して技術力を向上させてきた。テレビの開発に当たっても、同センターの家電開発・品質管理のノウハウを最大限に活用したという。
シンプルだが微細な映像に対応
「LUCA」シリーズの特徴は「過度な鮮やかさを抑え、自然な美しさで目に優しい映像を映し出す」(ニュースリリースより)点という。4Kモデルは約829万画素、フルHDモデルは約207万画素の液晶パネルできめ細かい映像を映し出せる。HDR(High Dynamic Range)にも対応し、幅広い明るさを表現できるとうたう。
USBポートに別売りの外付けハードディスク(HDD)を接続することで番組を録画する機能も持つ。2つのチューナーを搭載するため、同じ時間帯の番組を2つまで録画できる。USBポートは2系統備えており、HDDを2つ接続すれば多岐にわたる録画コンテンツを保存できるという。
シンプルな機能に抑えた中で、高価なレコーダーがなくても録画できる点が、他社製品との差別化要因になるとしている。
製品ラインアップは、4Kモデルが43V型(7万9800円)、49V型(9万9800円)、55V型(10万8000円)、65V型(14万8000円)の4機種。いずれも画素数は3840(水平)×2160(垂直)。HDMI端子を4つ備え、映像・音声の送受信はARC(HDMI 2)・CECに対応する。
フルHDモデルは43V型(6万9800円)、40V型(5万9800円)の2機種で、HDモデルは32V型(4万9800円)の1機種。画素数はフルHDモデルが1920(水平)×1080(垂直)、HDモデルは1366(水平)×768(垂直)。HDMI端子を2つ備え、ARC(HDMI 1)・CECに対応する。
アフターサービスは自社で 他の黒物家電は「未定」
各商品の設置作業は外部委託するが、修理などのアフターサービスはアイリスオーヤマが手掛ける方針だ。
さらなる事業拡大に向け、11月末に新たな研究開発拠点「アイリスグループ東京本部」を東京・港区に設置予定。LED照明と家電製品の研究開発を行っていくという。
ただ「テレビの開発をこの拠点で行うかは未定」で、カメラなど他の黒物家電を今後取り扱うかも「まだ決まっていない」としている。
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