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巨人の原監督は、“球界の寝業師”になりつつあるのか赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

巨人の新指揮官、原辰徳監督が就任早々から精力的に動いている。来シーズン、他球団で活躍する主力選手が加わりそうだが、その背後にどんな動きがあるのか。原監督のコミュニケーション能力だけでなく、ある人物の行動が注目されている。どういう人間かというと……。

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“あらゆる人脈”を駆使

 この原監督の強力プッシュによって、今年のストーブリーグは久々に巨人の“乱獲の嵐”が吹き荒れそうな気配だ。特にFAの目玉、丸に対しては25億円とも言われる巨額資金を用意しているとして、残留を願う広島から早くも「ギブアップ」の声まで聞こえてくる。

 当然のように他球団ファンから「カネでモノを言わせ、次々と大物を獲っていくやり方はズルい」との恨み節も上がっているが、残念ながらこれは仕方がない。確かにマネーゲームになれば、巨人は圧倒的に有利だ。しかしそのカネだけではなく、FA移籍選手の獲得には本人を口説き落とすための交渉力も球団側には無論必要になる。

 前指揮官の高橋前監督にはどうしても経験値がないことからコミュニケーション能力も含め、そのあたりが不足していた。だが百戦錬磨の原監督には、そのチカラがある。過去の監督時代、実際に行ったように直接出馬も可能だ。場合によっては選手本人に電話連絡でラブコールを送ったり、交渉の場に出向いたりすることも原監督ならばできるに違いない。

 どのポジションが不足し、穴埋めしていかなければならないのか。そういう観点において緻密(ちみつ)な戦力分析を図ることができる上に、自ら率先して動く原監督だからこそ進められる強力補強――。そうとらえていることで巨人側も今オフ、青天井に近い軍資金を投入する構えでいるのは言うまでもない。

 このような流れがあることも一因なのだろう。原監督には最近、こんな言葉も一部の球界関係者の間で飛び交い始めている。

 「あの人は根本さんのように、あらゆる人脈を生かして昔から一度狙った獲物は、とにかく逃さないからね」

 かつて西武ライオンズや福岡ダイエーホークス(現ソフトバンク)で代表取締役専務などを歴任し「球界の寝業師」と評されていたのは、故根本陸夫氏だ。生前の同氏は獲得したいと思った選手に照準を定めると、さまざまなルートを使い、そして口説き落としたすご腕の持ち主だった。まだ原監督が根本氏に匹敵するほどの「寝業師」とはさすがに思えないにせよ、少なくとも“あらゆる人脈”を駆使する点においては共通していると言えるかもしれない。

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