JTの紙巻きたばこ、増税で10月の売り上げ激減 9月の“買いだめ”から大きな落差:収益維持に向け加熱式に注力
JTが2018年10月の紙巻きたばこの月次販売実績を発表。たばこ税の増税が施行された影響で販売数量・売上高ともに大きく落ち込んだ。増税前の9月は“買いだめ”のために一時的に急増していた。
JT(日本たばこ産業)は11月16日、国内市場における紙巻きたばこの月次販売実績を発表した。月初にたばこ税の増税が施行された影響で、2018年10月の販売数量は前年同月比35.1%減の49億本、売上高は30.8%減の308億円に大きく落ち込んだ。
1〜10月の累計でも、販売数量は前年同期比11.3%減の691億本、売上高は10.7%減の4138億円に低下した。
9月は“買いだめ需要”で一時的に好調
ダウントレンドが続く中、増税直前の9月は、単月での販売数量が前年同月比24.7%増の94億本、売上高が24.8%増の562億円と一時的に急増。多くの愛煙家が増税前に“買いだめ”を行っていたことがうかがえた。
新税制では、紙巻きたばこを20年・21年にも1本当たり1円ずつ値上げすることが定められている。次回の増税時にも、一時的な買いだめ需要が発生することが予測される。
収益維持に向け「プルーム・テック」に注力
紙巻きたばこが低迷する中で収益を維持するため、JTは加熱式たばこ「Ploom TECH(プルーム・テック)」の展開に力を入れている。
11月頭からは、全国の実店舗でプルーム・テックの「スターターキット」を購入した顧客に対し、同キットを無償でもう1つ提供するキャンペーンを実施している。
11月半ばには、紙巻きたばこを日常的に吸っている喫煙者がプルーム・テックに切り替えると、体内の有害物質が禁煙した場合と同水準まで減るとの調査結果を発表した。
19年3月末までには、吸い応えを向上させた低温加熱式の「Ploom TECH+」と、高温加熱式の「Ploom S」の新モデル2機種を発表する予定。市場ではフィリップモリスジャパンの「IQOS(アイコス)」が先行する中で、ユーザー獲得を加速させる。
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