紙の手帳が相変わらず売れている、その理由は?:デジタル併用派も(1/3 ページ)
相変わらず手帳が売れているという。 手帳といえば、スケジュールやToDoリストなどを管理するためのものであり、機能面で考えれば、スマホで十分だろう。しかし、手帳を買い求める人は依然として多い。
著者プロフィール:猪口真(いのぐち・まこと)
株式会社パトス代表取締役。
相変わらず手帳が売れているという。
手帳といえば、スケジュールやToDoリストなどを管理するためのものというイメージだが、実際にロフトやハンズの手帳売り場に行くと、実にいろいろな手帳が所せましと並んでいる。
普通に考えれば、仕事のスケジュールはチームや上司、部下と共有する必要があるから、Googleなどのクラウドサービスを使わざるを得ないと思えるし、ToDoなどのタスクリストも、スマホで十分な気がするが、手帳を買い求める人は依然として多い。
少し古いデータだが、株式会社マーシュの調査データによれば、仕事のスケジュール管理を紙の手帳で行っている人は、男性で68.5%と、多くのビジネスパーソンが、いまだに手帳を活用している。プライベートの予定の管理においては、女性で86.0%の人が紙の手帳で管理しており、女性は特にプライベートの面で手帳を活用しているようだ。
当たり前だが、プライベートの場合、むしろ共有機能は邪魔であり、手帳の良さが生きる場面だといえる。
驚くのは、50代の半数近くが、連絡先を手帳でも管理しているということ。検索や修正、他への転用など、あらゆる面でデジタルのほうが便利にもかかわらず、紙利用が多いというのは、すでにアドレス帳の存在意義がさほどないのだろう。私自身、すでに「住所録」はどこにもない。
また、別の調査でも、スケジュール管理が紙で行われている実態が分かる。2016年のDIMSDRIVEの調査によると、スケジュール管理をしている人の割合として、手帳・カレンダーなどのアナログのみを利用している人が46.3%、スマホやPCなどデジタルのみを利用している人は18.5%だという。まだまだスケジュール管理は手帳を使うという人のほうが多数派だ。もちろん、この間の併用という人も多いだろうが、総じてデジタル化は進んでいないというのが正直なところだろう。
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