紙の手帳が相変わらず売れている、その理由は?:デジタル併用派も(3/3 ページ)
相変わらず手帳が売れているという。 手帳といえば、スケジュールやToDoリストなどを管理するためのものであり、機能面で考えれば、スマホで十分だろう。しかし、手帳を買い求める人は依然として多い。
もはや手帳はスケジュール管理ツールではない
デジタルのスケジュール管理やタスク管理ツールは、数えきれないほどのクラウドやアプリで提供されているが、手帳やアナログ文具への人気にはまったく太刀打ちできていないと言っても過言ではないだろう。
いろいろな理由があるだろうが、ひとついえるのは、現在のデジタルサービスは基本的に紙の持つ機能の追随だということ。デジタルへの置き換えにしか視点がない限り、追いつくのは難しい。
つまり、手帳をただの平面的な何かを記入するものという視点でいる限り、手帳を超えることはないだろう。
以前システム手帳が生まれ、自分なりにカスタマイズでき、情報管理の方法が変わり、仕事のスタイルに変化が生まれたような、せめてこれぐらいの「変化感」がないと厳しい。さまざまなスタイルの手帳を選ぶということは、仕事の(生活の)スタイルを選んでいることに他ならない。
デジタルツールが、仕事の仕方や行動を変えるような機能を持つことができれば、大きく変わる可能性はある。
ツールとして形があるということも大きい。機能だけではないということだ。アナログ手帳を愛する人たちの活用方法を見てみればすぐに分かるように、単にスケジュールやタスク管理だけに使っている人はもはや少数だ。自分の好きなことをサポートするツールとして使っているわけで、そうなるとそのツール自体に愛情が向く。
その点、スマホは中のデータで勝負だから、ツールとしての形がない。これは気付きにくいポイントだが、かなり大きな理由ではないかと思える。(猪口真)
関連記事
- 築46年なのに、なぜ「中銀カプセルタワー」に人は集まるのか
新橋駅から徒歩5分ほどのところにある「中銀カプセルタワービル」をご存じだろうか。立方体の箱がたくさん積まれていて、丸い窓が並んでいる。1972年に建てられたこのビルが、数年前からジワジワ人気が出ているのだ。その謎に迫ったところ……。 - なぜ「スーツみたいな作業着」をつくって、しかも売れているのか
スーツのような作業着「WORK WEAR SUIT(ワークウェアスーツ)」が売れている。製造しているのはアパレルメーカーでもなく、作業着メーカーでもない。水道工事などを行っている会社がつくったわけだが、なぜこのような商品を開発したのか。その狙いを聞いたところ……。 - 「宇宙の謎に迫る国家プロジェクト」に、日本学術会議が猛反発のワケ
岩手県で、超巨大プロジェクトが持ち上がっている。その名は「国際リニアコライダー」(ILC)。この施設が完成すれば、まだ解明されていないさまざまな謎に迫ることができるわけだが、なぜか日本学術会議が猛反対している。その理由は……。 - BTSの「原爆Tシャツ」騒動が起きても、韓流ブームが打撃を受けない理由
「原爆Tシャツ」を着用していたことを受け、韓国の人気グループ「BTS」が揺れている。「このままでは韓流ブームに陰りが出るかもしれない」と感じている人もいるかもしれないが、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。どういうことかというと……。
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.