2015年7月27日以前の記事
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災害危険地域に引っ越す人が絶えない根本原因は不動産業界の“不作為”求められる情報公開の姿勢(2/3 ページ)

災害危険地域だと知らずに引っ越してしまう人が後を絶たない。根本原因はその情報を伝えない不動産業界の不作為にある。解決策はあるのだろうか?

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解決の糸口はあるのか

 この問題を解決する根本的な方法は、不動産に関する総合的な情報を網羅しつつ、誰にでも開かれたデータベースを構築することだと考えている。

 現在、多くの不動産取引に使用されている大規模なデータベースにREINS(レインズ)と呼ばれるものがある。ここには、さまざまな情報が登録されているのだが、必ず登録しないといけない項目は「価格」「住所」「間取り」などに限られている。しかも、不動産業者しか閲覧できないようになっている。

 国土交通省は2018年度中に「不動産総合データベース」の公開を目指している。これは、レインズだけでなく、国、自治体、民間情報サービス機関などからさまざまな情報を集約することで、多様な「物件情報」や「周辺地域情報」の提供を目指すものだ。この構想においては、ハザードマップや過去の土地利用状況などもデータベースに盛り込むとしており、不動産を購入する顧客が事前にリスクを認識できる可能性が高まる。

 こういった取引情報をオープンにする取り組みは米国などで先行しており、日本でも普及すれば、不動産中古売買の活性化につながると期待している。

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不動産総合データベースの概要

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