パッとしない本田真凜を、なぜ大企業とメディアは“ヨイショ”するのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
女子フィギュアスケートの本田真凜が悪戦苦闘している。成績はパッとしないのに、なぜ大企業とメディアは彼女を擁護するのか。背景にあるのは……。
仕立て上げられた「スター」
本田はシニア2年目の今シーズンから取り巻く環境が大きく変わった。本格的なシーズンへ突入する前の4月には、幼少期から指導を受けていた濱田美栄コーチのもとを離れ、米国に拠点を移してすべてを一新。そして7月に入ってからは日本航空アイススケート部と所属契約を結び、さらには数多くの世界的な有名アスリートを抱える「IMG」とも新たにマネジメント契約を締結した。
この点を踏まえた上で、事情通は次のように本田報道に関する内情を打ち明けた。
「JAL所属となると、やはり広告関係のしがらみがあって主要メディアは、なかなかバッシングできない。それにも増して大きい存在はIMGだ。この会社は、自分の所属選手に不利益が生じることには容赦しない。それこそ本田にとってマイナスの記事を掲載した社には、“出禁”を通達することもありうる。
そうなったら一般メディアはまだしも、スポーツメディアからすれば打撃を受けることは必至。だから各スポーツメディアは本田批判に及び腰になり、ご機嫌をうかがうような“ヨイショ記事”を掲載する。そういう流れが業界内にはあるのも事実だ」
ただし、これに補足すれば、各メディアの“本田推し”は今に始まったことではない。ジュニア時代から彼女は期待の超新星として、スポットライトを浴びせられていた。兄の太一、そしてオスカープロモーションに所属する妹の望結と紗来もスケート選手で、とりわけ各メディアから引っ張りダコとなる材料が豊富にそろっていた。当時は浅田真央に次ぐ新たなヒロインの誕生を求める日本女子フィギュア界のムードにも後押しされ、周りが半ば無理矢理に本田真凜をスターに仕立て上げようと先を急いでいたこともある。
関連記事
- 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。 - 大人たちによって作り上げられた“ポスト真央”、本田真凛の悲劇
オトナたちによって作り上げられた「悲劇のスター候補」だったのかもしれない。女子フィギュアスケートの本田真凛のことだ。期待されていた韓国・平昌五輪の代表入りを逃してしまったことで、今後の彼女はどうなる? - 卓球王者の張本が、いまひとつ支持を得られない要因
全日本卓球選手権の男子シングルス決勝で、14歳の張本智和が王者・水谷隼を破って優勝した。最年少優勝の偉業を達成したのに、いまのところ“張本フィーバー”は起きていない。なぜ新王者がいまひとつ支持されないかというと……。 - 日本初の「ドルビーシネマ」は何がスゴいのか 実際に見てきた
福岡市に、日本初の「ドルビーシネマ」が上陸した。欧米や中国などで展開していて、現在は390以上のスクリーンを構える。「ドルビー」と言えば音響に関する会社といったイメージが強いが、一体どのような劇場なのか。現地で取材したところ……。 - 築46年なのに、なぜ「中銀カプセルタワー」に人は集まるのか
新橋駅から徒歩5分ほどのところにある「中銀カプセルタワービル」をご存じだろうか。立方体の箱がたくさん積まれていて、丸い窓が並んでいる。1972年に建てられたこのビルが、数年前からジワジワ人気が出ているのだ。その謎に迫ったところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.