外国人労働者受け入れ法案が招く、本当の姿:どんな事態が起きるのか(1/3 ページ)
政府与党と維新の会の賛成で衆院可決し、法の成立が固まった出入国管理法(入管法)改正案。日本の将来像に重大な影響を与える法案ですが、移民が始まるとどんな事態が起こり得るのでしょうか。現実的な想像をしてみたいと思います。
政府与党と維新の会の賛成で衆院可決し、法の成立が固まった出入国管理法(入管法)改正案ですが、これは移民受け入れ法とも揶揄(やゆ)される、日本の将来像に重大な影響を与える法案です。一方、この法案で移民が始まるとどんな事態が起こり得るのか、現実的な想像をしてみたいと思います。
(1)外国人を増やすことを目的とする法律
本法案では、政府が指定した業種で一定の能力が認められる外国人労働者(単純労働含む)に対し、新たな在留資格「特定技能1号」「2号」を付与することで、外国人労働者を増やすことを目指しています。日本人労働者が忌避する肉体労働などの単純労働での雇用の道は、これまで一応は歯止めがあったのですが、本法案によりそれは開かれることになります。人手不足に困窮する企業への救いの手となるでしょう。
「特定技能1号」とは、「相当程度の知識・経験」を持つ外国人で、試験に合格すれば上限5年まで日本で就業できます。ただこの「相当程度」という一番重要な部分が不透明で、何が相当でなにが相当でないかという明確な基準はこれから決まっていくようです。また肝心の日本語能力については「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力を有することが基本」と、これまた逃げだらけの説明になっています。
日本語能力に不安がある人材に、就業後も日本語講習をバックアップすることも盛っています。すなわち日本語が不十分な外国人が就業することを想定した制度であると考えられる所以です。
特定2号というさらに熟練した技能者には、家族呼び寄せなど、正に移民への道は開かれていますが、「相当」とか「基本」といった逃げ表現が多すぎ、きわめて不明瞭な法であることが問題とされているのです。
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