松屋と吉野家でこれだけ違う 「もうかる立地」の方程式とは?:ネット上の「立地」も大事(5/6 ページ)
「あの飲食店は立地が悪い」とよく言われるが、そもそも「良い立地」と「悪い立地」は何が違うのだろうか。知ってるようで意外と知らない飲食店の立地戦略を読み解いてみよう。
「なじみ性」と立地
さらに、飲食店を成功させる上では「なじみ性が高い」業態を考えることが重要です。なじみ性とは、そのお店の商品を聞いただけで「あんな料理だな」とか「食べたいな」とすぐに思ってもらえる業態です。
例えば「牛丼●●」という店名を聞いた時、「牛丼って何? どんな食べ物?」と不思議に思う人はほぼいないでしょう。一方で「バングラディシュ料理●●」という店名を聞いた時、バングラディシュという国は知っていても、どんな料理が食べられるのかを想像できない人は多いでしょう(私は個人的にバングラディシュ料理のカレーが大好きです!)。つまり、牛丼はなじみ性が高く、バグラディシュ料理はなじみ性が低い業態ということになります。
では皆さん、おなじみの「牛丼店(チェーン)」は、日本で一番人口が多い東京都内に何店舗あると思いますか? 正解は937店舗です(出所:牛丼チェーン店舗数、以下同)。では、日本で一番人口が少ない鳥取県内の店舗数はいくつでしょうか? 正解は13店です。
皆さんにとってあまりなじみ性が高くない「バングラディシュ料理専門店」は東京都と鳥取県にそれぞれ何店舗あると思いますか? インターネットで調べた限りでは、東京都が8店で、鳥取県は0店です。
極端な例かもしれませんが、なじみ性が高い業態(例:牛丼店)は商圏内の人口が少ない立地でも成立する場合がありますが、なじみ性の低い業態は良い立地条件(一等立地)でないと成立し難いといえます。逆にいうと、なじみ性の低い業態は、圧倒的な人気店しか生き残ることができません。
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