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18年版「ブラック企業大賞」9社ノミネート 野村不動産、スルガ銀、財務省など“有給チャンス問題”のジャパンビバレッジも(1/3 ページ)

「第7回ブラック企業大賞」のノミネート企業が発表された。今年は野村不動産、スルガ銀行、財務省など9社が挙がった。「大賞」「業界賞」などの各賞は12月23日に発表される。

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 ブラック企業大賞企画委員会は12月5日、“今年1番のブラック企業”を決める「第7回ブラック企業大賞」のノミネート企業を発表した。今回は野村不動産、スルガ銀行、財務省など9社が挙がった。「大賞」「業界賞」などの各賞は12月23日に発表される。

 労働環境の悪さなどが問題となった企業を毎年選出し、皮肉を込めて“賞”を送るというコンセプトの企画。長時間労働、セクハラ・パワハラ、いじめ、低賃金、コンプライアンス違反――などの観点から、弁護士やジャーナリストなどで構成される企画委が評価する。

 2016年は女性新入社員が過労自殺した電通、17年は男性営業社員をシュレッダー係に左遷するなどした「アリさんマークの引越社」(引越社グループ)が大賞を受賞していた。

 18年のノミネート企業と、主な選定理由は以下の通り。

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ノミネート企業発表会見の模様

・野村不動産: 「裁量労働制」が違法適用されており、16年9月に50代の男性社員が過労自殺していたことが18年3月に発覚。同社は05年に、会社の中枢で経営企画の立案や情報分析を行う社員を対象に、「企画業務型裁量労働制」を導入していたが、本来は適用対象とならないマンションの営業担当など約600人にも適用していた。

 亡くなった社員もこれが適用されており、1カ月の残業時間が180時間を超えるなど長時間労働を強いられていた。

・スルガ銀行: 18年5月に破産手続きを開始した不動産会社「スマートデイズ」が展開していたシェアハウス投資を巡り、一般投資家に不当な融資をしていたことが判明。第三者委員会がこの背景を調査した結果、同行が行員に過大なノルマを押し付け、達成できない人に悪質なパワーハラスメントを行っていたことが分かった。

 第三者委がまとめた報告書によると、行員からは「(上司から)首をつかんで壁に押し当て、顔の横の壁を殴られた」「数字が(達成)できないなら、ビルから飛び降りろといわれた」などの声が挙がっているという。

・財務省: 18年4月、財務省の福田淳一事務次官(当時)がテレビ朝日の女性記者に対し、取材中に「抱きしめていい?」などのセクハラ発言を行っていたと報じられた。その後、同省の顧問弁護士もセクハラがあったと断定した。ただ、福田氏は事務次官を辞任したものの、セクハラを否定。麻生太郎財務大臣も「セクハラという罪はない」「男を番記者にすればいい」などと発言し、事態を軽視していることをうかがわせた。

 公的機関がノミネートされるのは、14年の東京都議会に次いで2度目。「『女性活躍』をうたう政府の中枢機関で起きたセクハラ事件に対して、その対応がお粗末であったと言わざるを得ないため、民間企業ではないが特別にノミネートした」(企画委の佐々木亮弁護士)という。

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