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「いくら貯まったらセミリタイアできる?」は愚問 ナイトウォーカーさん:個人投資家列伝(3)(3/3 ページ)
長年資産運用を続けてきたブロガーのナイトウォーカーさんだが、株式でもうけようとはせず、市場平均に合わせたリターンを得るべきだと話す。超過収益は本業の仕事に任せるという考えだ。
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どうしたらセミリタイアできる?
最後に、セミリタイアについて聞いてみた。定年まで会社に残らず早期退職を決めたわけだが、どんな思いがあったのだろうか。
「第2の人生の意味合いが変わってきている。昔のセカンドライフは“老後”の洗練された言い方だったが、今はリアリティのあるセカンドライフになってきている。(ベストセラー書籍)『LIFE SHIFT』の空気感を感じているんじゃないか」
「100年時代の人生戦略」を掲げる『LIFE SHIFT』では、教育、勤労、引退という3ステージから、人生はマルチステージに変わっていくと主張している。その文脈では、セカンドライフとは引退というより、旅や起業、複数の仕事に関わるなど新たなステージを意味している。
ナイトウォーカーさん自身は、親の介護や会社の事情というのが重なってセミリタイアを決めたという。最近は「いくらあったらセミリタイアできますか?」という質問を受けることもあるが、そう考えている時点で向いていないと言う。
「自立心をつけておけ。その象徴としてお金がある。ゲーテは、『自らに命令できない人は奴隷』と言った。自由でいたいということは楽なことじゃなくて究極の自己責任。独立するようなものなんです。いくらあればいいのかを決めるのはその人自身。それが決められない人は(セミリタイアは)止めたほうがいい。逃げたいと思っている人は仕事を止めたあとも逃げてしまう」
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