なぜ日本のプロ野球選手に、愛煙家が多いのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/5 ページ)
世の中は「禁煙」の動きが広がっているのに、なぜかプロ野球界はどこ吹く風といった感じ。ベンチ裏では主力選手だけでなく、スタッフもプカプカと吸っている。一方、大リーグでは禁煙化の動きが進んでいて……。
なぜプロ野球界に愛煙家が多いのか
もちろんタバコを吸うことは、プロ野球のルール上でも認められていないわけではない。しかしながら喫煙は健康に害が及ぶリスクの高い行為なので、野球少年を含め子どもたちにとって模範となるべきプロプレーヤーがハマり込んでいいものなのか。タバコは自分だけでなく周囲にまで健康被害を与える危険性が高いのだ。そう考えれば、断じていいわけがない。喫煙所で吸えばいいだろうという主張があったとしても同意できない。
なぜ、プロ野球界には愛煙家がいまだに数多いのか。この世界に昭和的な旧態依然とした体質が色濃く残っているからだろう。パ・リーグ某球団で活躍する20代後半の愛煙家選手に、こんな話を聞いたことがある。
「タバコをやめようと思ってもやめられない現状がある。なぜなら喫煙所に集まる先輩選手やコーチたちとタバコを吸いながら、その場でしかできない話ができるというメリットがあるから。助言をもらえるのは緊張感のある練習中だけでなく、喫煙所のようにお互いがリラックスした雰囲気の中だとかみ砕かれた言葉になるからスーッと体に入っていきやすい。
そうした環境に慣れてしまっているので、禁煙することによってその輪から外れてしまうと、どうなってしまうのだろうかという怖さもある。そして何よりも今まで吸い続けてきたタバコをやめるのは簡単ではない。何といってもタバコのリラックス効果があるからこそ、野球のプレーも向上できたので」
何だかんだと言っても、それは甘えじゃないのかと思ったが、その言葉はあえて飲み込んだ。大概、一般人でも禁煙しない人は喫煙を正当化しようとする傾向が強いから、こちらが四の五の言っても水かけ論になってしまうからだ。
じゃあ、一体いつからタバコを吸っているのか――と質問してみた。だが、この選手はうやむやにして答えなかった。その姿勢から何か後ろめたいものがあるのは明白で、大体の察しがついた。まあ、仮に「ちゃんと20歳から吸っています」なんて優等生っぽい発言をしたとしても、信用はできなかっただろう。プロ野球界でも未成年のころから隠れて吸っていた喫煙者が大半であろうと推察されるからだ。事情通も「アマチュアにも喫煙の問題がしつこく残っている」と述べ、こう補足する。
関連記事
- 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。 - フォロワー30万人! なぜキングジムのTwitterに人が集まるのか
「Twitterをやっているけれど、フォロワーが増えないなあ」と悩んでいる人もいるのでは。そんな人に、キングジム(フォロワー数:30万人以上)の“中の人”をオススメする。人気アカウントの中の人はつぶやくとき、どんなことに注意しているのか。話を聞いたところ……。 - 卓球王者の張本が、いまひとつ支持を得られない要因
全日本卓球選手権の男子シングルス決勝で、14歳の張本智和が王者・水谷隼を破って優勝した。最年少優勝の偉業を達成したのに、いまのところ“張本フィーバー”は起きていない。なぜ新王者がいまひとつ支持されないかというと……。 - パッとしない本田真凜を、なぜ大企業とメディアは“ヨイショ”するのか
女子フィギュアスケートの本田真凜が悪戦苦闘している。成績はパッとしないのに、なぜ大企業とメディアは彼女を擁護するのか。背景にあるのは……。 - 築46年なのに、なぜ「中銀カプセルタワー」に人は集まるのか
新橋駅から徒歩5分ほどのところにある「中銀カプセルタワービル」をご存じだろうか。立方体の箱がたくさん積まれていて、丸い窓が並んでいる。1972年に建てられたこのビルが、数年前からジワジワ人気が出ているのだ。その謎に迫ったところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.