かっぱ寿司の冬商戦、「寒ブリ3貫100円」で挽回へ:中トロ、バフンウニなども投入
かっぱ寿司が12月20日から、100円メニューを強化する施策「イチ押しネタシリーズ」を始める。第1弾は3貫セットで100円の「霜降り寒ぶり三昧」。客足の落ち込みに歯止めをかける狙い。
回転すしチェーン「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトは12月20日から、100円メニューを強化する施策「イチ押しネタシリーズ」を開始する。ターゲットを絞らず幅広い客層を獲得する狙いで、第1弾は3貫セットで100円(税別、以下同)の「霜降り寒ぶり三昧」を全店で販売する(12月25日まで)。濃厚な脂の乗った寒ブリを使用し、生のネタ、しょうゆベースのタレとからしで味付けしたネタ、炙って甘塩で味付けしたネタ――の3種を提供する。
同社の澄川浩太代表取締役専務は「最も売れているカテゴリーである100円すしを強化することで、消費者に『かっぱ寿司にはお得な商品がある』と改めて認知してもらう狙いがある。この時期はブリがマグロよりも人気が出るため、(施策の)中心に据えた」と説明する。
その後も脂の乗ったマグロを使った「地中海から本鮪中とろ」(1貫100円、12月28日〜1月3日)、バフンウニを使った「とろけるバフンうに」(1貫100円、12月28日〜2019年1月14日)を投入する。年明け以降も「生オーロラサーモン」(1貫100円、1月16日〜1月31日)、「天然生車海老」(2月4日〜2月14日)、「天然生ぼたん海老」(2月15日〜26日)を相次いで展開する。
サイドメニューも充実させ、12月20日には中華料理店「創作中華 一之船入」(京都市)のシェフが監修した「肉味噌辛辣ラーメン〜赤葱ジャン使用特製スープ〜」(390円)を数量限定で販売する。スイーツ「至福の贅沢ロールケーキ」(12月20日発売)、「ふんわりシフォン抹茶クリーム仕立て」(19年1月11日発売)も期間限定で展開する。
同社が12月4日に発表した月次報告によると、11月の既存店売上高は前年同月比で94.4%、客数は94.9%、客単価は99.5%に落ち込んでいる。一連の施策によって客数の改善を図り、先行する「スシロー」「くら寿司」「はま寿司」といった競合に対抗する。
澄川専務は「3月以降も『イチ押しネタシリーズ』を引き続き展開していく。(競合と比較して)スイーツの展開が遅れていたのは事実なので、ラインアップを拡充する。定番メニューの変更も視野に入れている」と話している。
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