PCは死んでいない? ゲーミングPCが救いの神に:盛り上がる「eスポーツ」(1/2 ページ)
PC業界の不振が叫ばれて久しい。かつて、「PC is dead」という言葉が出回るなど、すでに終わったとみる専門家は多かった。ところが、何十年かぶりに明るい話題が出ている。それはゲーミングPC市場だ。
著者プロフィール:猪口真(いのぐち・まこと)
株式会社パトス代表取締役。
PC業界の不振が叫ばれて久しい。かつて、「PC is dead」という言葉が出回るなど、すでに終わったとみる専門家は多かった。ところが、何十年かぶりに明るい話題が出ている。それはゲーミングPC市場だ。
近年、個人向けのゲームが複雑化高度化していく中で、ゲーム機は何度かのイノベーションを繰り返し、端末の多機能化とネットワーク化が進んできた。ゲームの端末機の変遷は激しく早い。これまでもさまざまな端末が出ては消えてきた。市場も10年ほど前に急拡大したものの、その後数年にわたって落ちこんだ。ところが再度iPhoneの登場によってモバイル端末によるゲームが活性化し、数々のゲーム提供会社が登場(当初はSNSをやっていた会社が次々とゲーム会社に転身したのは記憶に新しい)し、現在すでにそのピークも超え、拡大を続けている。
なんといっても、現在の隆盛はスマホによるところが大きく、現在の世界のゲーム市場でも半分以上をモバイル端末(タブレットを含む)と言われている。
ゲーム用PCが登場
そのなかで、現在、ゲーミングPCマーケットの伸びが大きくなっている。一部メーカーでは、以前からゲーミングPCマーケット向けに製品を提供してきたが、ここへきて、eスポーツの盛り上がりとともに俄然活況を帯びてきた。
ゲーミングPCとは、文字通りゲーム用に作られたPCで、CPUやGPU、メモリ、すべてにおいてハイスペックとなっており、ビジネスユースのPCが数万円から購入可能なのに対して、10万〜25万円はするハイスペックマシンだ。
PC自体の単価も高く、しかも次々にハイスペックを求める新作ゲームが登場するために、PCの寿命も短い。ビジネス用のPCであれば、7〜8年使う人はざらだが、ゲーミングPCの場合、2〜3年だろう。
日本のゲーム人口は7000万人ともいわれており、3人に2人はゲーマーというわけだ。全員が何らかの端末を持っているというわけではないだろうが、全体の約2割程度と言われるゲーミングPCユーザーの数を考えれば、とてつもなく大きな市場だと言えるだろう。海外のPCメーカーも、非常に積極的だ。
ここ数年大きな伸びを見せているゲーミングPC市場だが、市場を引っ張るのは、間違いなくeスポーツだろう。日本の競技人口は約390万人、観戦、視聴者も160万人程度いると言われている。(ファミ通ゲーム白書による)
この状況であれば、PCメーカーは迷わずゲーミングPC市場に参入するだろう。高価格で買い替えも頻繁なのだから。
関連記事
- 「南青山の児相反対派」をボコボコに叩く、そんな風潮がよくない理由
南青山の児童相談所建設をめぐって、議論が紛糾している。「児相ができれば青山ブランドが棄損する」といった反対派に対して、「口撃」する人が多いように感じるが、こうした風潮はどうなのか。筆者の窪田氏は、よろしくないと主張していて……。 - 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - フォロワー30万人! なぜキングジムのTwitterに人が集まるのか
「Twitterをやっているけれど、フォロワーが増えないなあ」と悩んでいる人もいるのでは。そんな人に、キングジム(フォロワー数:30万人以上)の“中の人”をオススメする。人気アカウントの中の人はつぶやくとき、どんなことに注意しているのか。話を聞いたところ……。 - なぜ日本のおじさんは怒ると「責任者を呼べ!」と騒ぐのか
街中を歩いていて、おじさんが「責任者を出せ!」と騒いでいるのを聞いたことはないだろうか。例えば、駅員に大声を出したり、コンビニの店員を叱ったり、とにかく日本のおじさんはよく怒っている。なぜおじさんは「責任者を呼べ!」と叫ぶのか、その背景を調べてみると……。
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.