コラム
「佃製作所はやっぱりブラック企業」と感じてしまう、3つの理由:スピン経済の歩き方(4/6 ページ)
ドラマ「下町ロケット」の特別編が放映され、14.0%という高視聴率を叩き出した。多くの人がこのドラマを見て胸が熱くなったかもしれないが、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。ドラマの内容を考えると、「日本の未来に不安を感じる」という。どういう意味かというと……。
「下町ロケット」の最もマズいところ
そんなアツすぎる人がゆえ、スポ根的精神論へと傾倒してしまっている。それを如実に示すのが、以下のような名言の数々だ。
「正義は我にありだ」「町工場が夢を見て何が悪いんだ」「お前が信じる道を行きゃいいんだ」「徹底的に泥臭くやってみないか」「どうか同じ夢を見てくれませんか」
「ああ、こんなカッコいいことを言って、社員を鼓舞する社長のもとでオレも働きたいよ」と感じる技術者の方も少なくないだろう。いつかはオレもこんな感じで、社員や部下に語りかけてみたいと思う経営者や管理職の方もいるかもしれない。
ただ、大変申し上げづらいのだが、このあたりこそが「下町ロケット」というドラマの最もマズいところだと思っている。いくらエンタメ作品とはいえ、ブラック経営者やパワハラ上司の背中を押す「根拠なき精神論」をこれでもいいかというくらい美化してしまっているからだ。
関連記事
- 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。 - なぜ日本のおじさんは怒ると「責任者を呼べ!」と騒ぐのか
街中を歩いていて、おじさんが「責任者を出せ!」と騒いでいるのを聞いたことはないだろうか。例えば、駅員に大声を出したり、コンビニの店員を叱ったり、とにかく日本のおじさんはよく怒っている。なぜおじさんは「責任者を呼べ!」と叫ぶのか、その背景を調べてみると……。 - 日本のおじさんたちが、「アデランス」をかぶらなくなったワケ
アデランスがMBOを実施すると発表した。投資ファンドからの支援を受けながら経営再建を目指していくそうだが、業績低迷の背景に一体何があったのか。日本のおじさんたちが「かつら」をかぶらなくなった……!? - 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。 - 「外国人は来るな!」と叫ぶ人たちが、移民政策に沈黙しているワケ
いよいよ日本が、世界有数の「移民大国」へと生まれ変わる。普段、「外国人は来るな」と叫ぶ人たちは、なぜこの法案に沈黙しているのか。その背景には、「恐怖」が関係していて……。 - 日本人が「通勤地獄」から抜け出せない、歴史的な背景
暑くなってきたので「満員電車」が辛くなってきた。「働き方改革を実現しよー」「時差出勤をしよー」と叫ばれているのに、なぜ“通勤地獄”は解消されないのか。その歴史をひも解いてみると、意外な事実が……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.