若者の“クルマ離れ”は本当か 保有率が増加:コンパクトカーが人気(2/3 ページ)
クルマを買える世帯は減少しているとしか思えないが、内閣府の消費動向調査を見ると、2017年度はなんと20代(29歳以下)のクルマ保有率が、47.9%から56.6%に増加しているらしい。
いくら収入があればクルマを持てるのか
一般的に、クルマのローン総額は、年収の半分までと言われているが、20歳代の大半を占めると思われる、年収400万円以下の世代では、新車をローンを組んで購入するのは、常識的に厳しそうだ。
しかし、SMBCコンシューマーファイナンスの調査によれば、20代で「いくら年収があれば自家用車を所有しよう(購入しよう)と思うか」という問いに対して、年収400万円で43.2%、年収500万円で59.4%もいると言う。ちまたで言われるほど「若者がクルマ離れ」しているわけではないようだ。
とはいえ、20代で年収400万を超えるのは、大企業の勤務の少数だろう。そこで各販社が力を入れてきたのが、「残価設定型クレジット」呼ばれるクレジットサービスだ。将来の買い取り費用をあらかじめ引いた分を支払うというもの(金利は全体にかかるため総額は安くない)で、200万のクルマでも、買い取り額を70万に設定されると、見た目は130万円だけ払えばいいというものだ。詳しいカラクリは省略するとして、各社のホームページを見ると、にわか信じられない月々の費用が紹介されている。
例えば、売り上げナンバー1の日産ノートの場合、ガソリン車で、「月々3500円〜(実質年率4.9% 5年60回払い・契約走行距離1000km/月)」と紹介されている。もちろん、頭金やボーナス払いがあるので、月々3500円ではないのだが、20代の若者にとっては、携帯電話の費用より安い費用でクルマが持てるという、非常に魅力ある提案だ。
しかも、現在のクルマの維持費はかなり抑えられるようになった。燃費はリッターあたり20キロ近く走るし、かつて月3万円と言われていたガソリン代は1万円もいかないだろう。高速代もETCのおかげで安くなってきている。国産新車の故障はほとんどない。
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