西友の販売期限切れ食品はどこへ行く? 追跡して見えてきたものとは:食品ロス対策の現場を歩く(1/4 ページ)
食品ロス対策が社会問題化している。西友ではまだ食べられるのに廃棄せざるを得なかった食品の一部を寄付している。棚から商品が撤去されて寄付されるまでの流れを追ってみた。
スーパーやコンビニで買い物をしている際、「賞味期限」や「消費期限」をチェックするお客は多いだろう。賞味期限が近づいてきたら、お店では値段を下げて売り切ろうとする。
実は、小売りチェーンでは賞味期限や消費期限とは別に、「販売期限」という独自の販売ルールを設けていることが多い。常温の加工食品なら賞味期限の残り3分の1、あるいは残り1カ月時点で撤去するケースが多く、お客が購入してから食べきるまでの期間を考慮している(関連記事:「知ってるようで意外に知らない食品ロス問題を“そもそも”から考える」)。
西友も商品ごとに異なる販売期限を設定しているのだが、棚から撤去された食品はどこにいくのだろうか? 同社では2009年より外部の団体と協力して、まだ食べられるのに棚から撤去せざるを得ない食品の一部を福祉施設などに寄付している。
昨今、話題となっている食品ロス対策の現場はどうなっているのか。寄付される商品の行方を追跡する中で見たこと、聞いたこと、感じたことをルポ形式でお届けする。
店舗の従業員に話を聞いた
ここは1969年にオープンした西友巣鴨店(東京都豊島区)。巣鴨駅から徒歩数分の場所にあり、近くには「おばあちゃんの原宿」として知られる巣鴨地蔵通り商店街がある。
店内で、西友の担当者から販売期限に関する話を聞いた。例えば、みその値札に「-30」という暗号のような記載があるが、これは、賞味期限の30日前に撤去することを意味している。みそを購入してからおよそ30日間でお客が使い切るだろうと想定しているのだ。もちろん、販売期限や賞味期限が切れる前に「見切り品」として売り切るようにはしている。しかし、袋に穴が開いてしまったり、期限までに売り切れなかった商品は棚から撤去せざるを得ない。
西友では常温の加工食品やチルド食品を福祉施設などに寄付しているが、どのように運んでいるのだろうか。寄付をする食品の箱詰め作業を行う従業員に、店内のバックヤードを案内してもらった。段ボール箱が所せましと積まれている一角に、大きな保冷箱と段ボールが置いてある。段ボールの中にはガムテープが貼ってある米袋が入っている。まだ食べられるのだが、袋に穴が開いてしまったため棚から撤去したという。米袋のほかには、値下げシールが貼られたキャラ菓子(お菓子とテレビ番組に登場するキャラクターのおもちゃが一緒に入った商品)の箱や塩蔵ワカメなどが置いてあった。従業員は「夏が終わるころにはそうめんが多くなりますね。あとは容器がへこんでしまったカップスープなどもよく出ます」と説明した。
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