「セキュリティが弱い」 韓国の仮想通貨取引所、約7割が政府の審査をパスできず:基準満たさなかった企業名は明かさず
韓国の政府機関が調査を行ったところ、約7割の韓国の仮想通貨取引所はセキュリティになんらかの不備があることが分かった。
韓国の政府機関である科学技術情報通信部と韓国インターネット振興院、企画財政部は2018年9〜12月にかけて、韓国国内の仮想通貨取引所のセキュリティについて調査を行った。調査対象となった21カ所の仮想通貨取引所のうち、審査基準を満たしていたのは7カ所のみであることが分かった。CoinDeskが報じた。
審査をクリアした仮想通貨取引所はUpbit、Bithumb、Gopax、Korbit、Coinone、Hanbitco、Huobi Koreaだった。
企画財政部によると、基準を満たさなかった14カ所の仮想通貨取引所ではセキュリティが脆弱(ぜいじゃく)でハッキング攻撃に対する対策が十分ではなかったという。PCやネットワークにおける基本的なセキュリティシステムの管理体制などに欠陥があったとされる。
調査はセキュリティの運営やデータのバックアップ、ウォレットの管理体制など、計85項目で採点された。
なお、今回の調査で基準を満たしていないと判断された14カ所の取引所の名前は明かさない方針のようだ。
北朝鮮のハッカー集団によるもの?
韓国の仮想通貨取引所はここれまで何度もハッキングによる流出被害に遭ってきた。Coinrailは4000万ドル以上、Bithumbは3000万ドル以上など、その被害総額は巨額に上る。
韓国政府担当者はこれらのハッキング攻撃について、北朝鮮のハッカー集団がなんらかの形で関わっているとの見解を示している。実際に、ロシアに拠点を置くサイバーセキュリティ企業Group-IBは、北朝鮮のハッカー集団「Lazarus」が、17年1月以降に発生した仮想通貨盗難のうち総額5億7100万ドル分に関与している可能性があると指摘している。
大韓民国金融委員会はこれまでの仮想通貨取引所のセキュリティ侵害を踏まえ、18年7月に仮想通貨業界におけるセキュリティに関する規制の整備を早急に進めるよう政治家に求めていた。
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