最後に出なかった「ガンダム」は、どのようにして殻を破ったのか:水曜インタビュー劇場(指導員公演)(2/7 ページ)
ファンにとっては、たまらない商品が登場した。カプセルトイの商品「ガンダムヘッド」である。機動戦士ガンダムに登場する「ガンダム」の頭部を再現したもので、関係者からは「かなり売れるのでは」といった声も。開発を担当したバンダイの長谷川淳さんに、話を聞いたところ、最後にとんでもないことが……。
頭部を丸くすることができるのか
土肥: 2017年1月に発売したカプセルトイの商品「ザクヘッド」は、ものすごく売れました。500円という高価格帯にもかかわらず、用意していた4万個はすぐに完売。再生産して20万個を出荷したわけですが、これもすぐに売れました。その後もつくっては売れて、つくっては売れて……海も渡って、累計180万個も出荷しているそうで。
機動戦士ガンダムシリーズに登場するザクが登場したとなれば、ファンが期待するのは当然「ガンダム」ですよね。この1月に、いよいよ登場したわけですが、いつごろから開発を進めていたのでしょうか?
長谷川: 私はザクヘッドの開発に途中から携わっていて、プロジェクトメンバーから「ザクがあるのであれば、ガンダムも必要だよね」といった声がありました。見ていただければ分かると思うのですが、ザクに比べてガンダムは複雑な構造をしている。カプセルトイの商品なので、「頭部を丸くすることができるのかなあ」という不安もありました。
開発を始めたのは、ザクヘッドを発売した17年1月ころから。ただ、そのころはまだペーパープランの段階でして、「このようにすれば丸くなる」といった設計は描けていませんでした。大きさは決まっているので、「このようにしたらいいのか。いやいや、このようにしたほうがいいのでは」といった感じで、スケッチを描いていただけ。
その後、試作品を何度もつくりました。ザクヘッドの場合、中にメカが入っているので、「ガンダムヘッドにも入れたほうがいいでしょ」という形で進んでいったのですが、問題が出てきました。メカを組み込むと、コストがものすごく高くなってしまうんですよね。カプセルトイの上限は500円なので、商品にそれ以上のコストをかけることはできません。というわけで、中にメカを入れることをあきらめて、外側にシェルをつける形にしました。
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