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ソ連で生まれた1100代目の「ハエ」が、なぜ注目されているのか水曜インタビュー劇場(45年以上前公演)(1/7 ページ)

旧ソ連で生まれたハエが、世界を救うかもしれない――。このような話を聞いても「はあ? バカじゃないの?」と思われたかもしれないが、日本でひそかに選別交配を続けたことで、飼料と肥料を大量生産できる話があるのだ。どういった話かというと……。

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 耳元でプーン。オフィスや家のなかで、ハエが飛んでいてイライラしたことがある人も多いのでは。汚いイメージもあるので、「この世からいなくなればいいのに!」と思ったことがあるかもしれないが、そのハエに“お宝”が眠っているかもしれないのだ。

 「はあ? なにバカなことを言ってるの? ハエは害虫。百害あって一利なし」と突っ込まれそうだが、なにもテキトーなことを言っているわけではない。福岡市に本社を構える「ムスカ」という会社が、ハエの一種「イエバエ」の幼虫を利用して、飼料や肥料を大量生産する予定なのだ。

 ムスカといえばアニメ『天空の城ラピュタ』に登場するムスカ大佐を想像するかもしれないが、この会社はどんなことをしているのか。ひとことで言えば、選別交配を繰り返しているだけ。


イエバエを選別交配することで、どんなビジネスを考えているのか

 「繰り返している」といっても、100回や200回といった話ではない。45年前、旧ソ連が宇宙開発の一環でイエバエを研究していて、それに目をつけたアビオスという会社が、20年ほど前に買い取る(その後、イエバエ事業をムスカが引き継ぐ)。六本木ヒルズがオープンしようが、リーマンショックが起きようが、ひそかに交配を重ね続けていて、現在研究室に生息するイエバエは1100代目なのだ。

 ここまで読んで、次のような疑問を感じた人もいるはず。「なぜ45年間も選別交配を続けているのか」「1100代目のハエはどうなっているのか」「ハエを飼って、どうやって稼ぐのか」など。記者も同じ疑問を抱いたので、同社で会長を務める串間充崇さんと、暫定CEOの流郷綾乃さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

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