5年間ヒトヤスミしていたのに、なぜ「一休」は再成長したのか:水曜インタビュー劇場(45%増公演)(1/6 ページ)
宿泊予約サイトを運営する「一休」の取扱高が、伸びに伸びている。2007年〜11年にかけては伸び悩んでいたのに、なぜ再成長したのか。その秘密について、同社の榊社長に聞いたところ……。
10年ほど前の話になる。宿泊施設の予約サイトを運営する「一休」が、メディアによく登場していた。テレビCMを放映したり、社員が情報番組に出演したり、社名がプリントされたTシャツを着て、バラエティ番組で輪投げをしたり。
しかし、である。その後、メディアにパッタリ出なくなったのである。何が起きていたのか。
一休は2005年にマザーズに上場して、2年後の07年に東証一部に上場。破竹の勢いで業績を伸ばしていたのにもかかわらず、07〜11年にかけて取扱高が伸び悩んでいたのである。「なぜ売り上げが伸びないのか」「会社の戦略が悪いのか」などと疑問を感じるようになり、一人でも多くの人に自分たちのことを知ってもらうために、“メディアに出まくり作戦”を実行していたのだ。
だが、その作戦は失敗に終わる。CMを流しても、Tシャツを着ても、輪投げをしても、業績は上向かなかったのである。宿泊施設を予約するサイトは、競合がひしめきあっていて群雄割拠の状態である。JTBや近畿日本ツーリストといった老舗だけでなく、楽天トラベルやじゃらんなどもある。
「あー、それはキツイね。一休も大変だ」と思われたかもしれないが、5年ほどヒトヤスミして、12年以降はぐんぐん伸びているのだ。中でも16〜17年にかけての取扱高を見ると、45%も伸びている。
一休のサイトを見ると、高級ホテルや老舗旅館などがズラリと並んでいるが、なぜ再成長することができたのか。その秘密を探るために、同社の榊淳社長に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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