700台のカメラを設置して、スーパーの「トライアル」は何を分析しているのか:水曜インタビュー劇場(近未来公演)(1/6 ページ)
スーパーマーケットの「トライアル」が、近未来を感じさせられる店舗を構えた。店内には700台のカメラを設置して、人の動きや商品棚をウォッチしているという。最先端の技術を導入して、どんなことが分かってきたのか。
2018年2月。福岡市の東にある埋め立て地「アイランドシティ」に、近未来を感じさせられるスーパーマーケットが誕生した。出店したのは、九州を中心にスーパーやドラッグストアなどを展開する「トライアルカンパニー」。新たに生まれた「スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」には、これでもかこれでもかといった感じで最先端のテクノロジーが詰め込まれているのだ。
「スーパーセンタートライアル」(以下、トライアル)を利用したことがある人であれば、「えっ、本当に? 他のスーパーよりも安い印象はあるけれど、最新の技術を導入しているなんて信じられない」と思われたかもしれない。記者もそうである。関東でいえば「オーケーストア」のように、関西でいえば「スーパー玉出」のように、安さをウリにしている印象が強い。ただ、それは半分当たっていて、半分間違っていたのだ。
同社はITを積極的に取り入れていて、急成長してきた。業務アプリが入った従業員専用のモバイル端末を使っていたり、ポイントカードを発行して購買データを収集したり。客の立場からは“見えない”ところで、さまざまなことを行ってきたのだ。
その流れのなかで生まれたのが、アイランドシティ店である。特徴は2つあって、1つは店内にカメラが多いこと。700台のカメラを設置していて、人の動きや商品棚をウォッチしているという。もう1つは、スマートレジカート(セルフレジ機能とタブレット端末を搭載)を100台以上導入したこと。たくさんの人が利用することで、売り上げアップと効率化を図っているという。
店内に入ると、カメラ、カメラ、カメラ……。買い物をしている人たちはレジカートに搭載している端末に向かって操作、操作、操作……。テクノロジーのチカラを駆使することで、同社は何を狙っているのだろうか。オープンして4カ月が経過したわけだが、人の動きや商品棚を記録することで、どのようなことが分かってきたのか。トライアルホールディングスで副会長を務める西川晋二さんに話を聞いた。
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