160億円相当の仮想通貨はどこに? 不可解な取引が明らかに:取引所のCEO急死
カナダの大手仮想通貨取引所QuadrigaCXのジェラルド・コットンCEOが2018年12月に急死。QuadrigaCXが管理していたとされる1億5000万ドル相当の仮想通貨にアクセスできなくなるなど、混乱が広がっている。
カナダの大手仮想通貨取引所QuadrigaCXのジェラルド・コットンCEO(最高経営責任者)が2018年12月に急死していたことが1月31日に公表され、混乱が広がっている。CCNが報じた。
コットンCEOはセキュリティの観点からQuadrigaCXのコールドウォレット(オフライン管理のウォレット)へのアクセスキーやその他の重要なパスワードなどを1人で管理していたため、QuadrigaCXが管理していたとされる1億5000万ドル相当(約160億円)の仮想通貨にアクセスできなくなってしまったからだ。
だが、この1億5000万ドル相当の仮想通貨を巡り、新たな謎が浮上してきた。
コットンCEOの妻であるジェニファー・ロバートソン氏がカナダのノバスコシア州立最高裁判所に提出した供述書によると、コールドウォレットには約9000万ドル相当のビットコインが保管されているという。
その一方で、米仮想通貨調査企業ProofofResearchの調査結果によると、QuadrigaCXはビットコインのコールドウォレットを保有していない可能性があり、そもそも1億5000万ドル相当の仮想通貨を保有していない可能性もあると指摘している。
QuadrigaCXが保有する31個のビットコインアドレスの入出金記録を詳細に確認したが、QuadrigaCXがビットコインのコールドウォレットを保有している証拠を見つけられなかったという。
さらに、QuadrigaCXが保有する主要なホットウォレット(オンライン管理のウォレット)を調べたところビットコインが外部のウォレットに出金された形跡がなかったことなどから、コールドウォレットに保管されていると思われる仮想通貨は、実はホットウォレットに保管されている可能性もあるとした。
仮想通貨用ウォレットを提供する米MyCryptoも、QuadrigaCXの主要なイーサリアムのアドレスを調べたが、イーサリアムのコールドウォレットはなかったと結論付けた。
不可解なことはこれだけでない。
コットンCEOの死後にQuadrigaCXからビットコインが出金されていたことが判明した。QuadrigaCXのウォレットのパスワードなどもコレットCEOしか知らないとされているので、本来であれば出金の取引は不可能なはずだ。
QuadrigaCXやロバートソン氏の主張と食い違う調査結果が次々と発表され、アナリストや投資家はQuadrigaCXの当初の発表内容に対し懐疑的になり始めているという。
現地当局も同件については調査中だが、決定的なことはまだ何も分かっていないようだ。
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