どのようにすれば“いい人”を採用できるのか ポイントは4つ:急募をなくす(2/7 ページ)
一緒に働けるかどうかは、一緒に働いてみないとよく分からない。しかし、一緒に働くためには採用を決めなければいけない。ここに採用が抱えるジレンマがあるわけだが、この問題を解決するには……。
管理にコストをかけるか、採用にコストをかけるか
自己組織化されたチームで管理をしないという話をすると「性善説ですね」と言われることがあります。しかし、実をいえば、私自身は性悪説をもとに、簡単に人を入れないようにしているのです。信頼関係を築けるまで時間をかけるし、副業で働いてもらうトライアル期間はしっかり管理しています。しかし、本当に信頼できるようになって入社するころには、管理する必要がないほど性善説でいられるというわけです。
これは合理的に考えると、「どこにコストをかけるのか」という話です。どうにも信用できない人を採用してしまうと、不安から管理をせざるを得ません。それで管理コストが高くなってしまうのです。
私たちの場合、採用のところで非常にコストをかけています。しかし、その代わりに管理コストをかけずにすんでいます。
採用にコストをかけて、入口で弾くか。
あまり気にせずに採用して、管理にコストをかけるのか。
その違いです。
管理コストはこの先も恒久的にかかりますし、人数が増えれば増えるほどに、管理のための管理が必要になって、指数的に高まっていきます。管理されるほうも、あまり楽しくありません。一方で、採用コストは入社しなかったら無駄になることもありますが、一時的なものです。
私たちは、採用から入社までにコストをかけて、その後を楽にしようと判断したのです。これは、エンジニアリングの世界で、保守性を高めるために開発にコストをかけることに似ています。
そのうえで、採用プロセスを省力化するために、「トライアウト」と呼ばれる自社オリジナルの採用システムを導入しています。トライアウトでは、Webサイトから申し込みできて、そのままWeb画面で採用に必要な技術レベルや考え方などを判定できる仕組みになっています。
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