どのようにすれば“いい人”を採用できるのか ポイントは4つ:急募をなくす(3/7 ページ)
一緒に働けるかどうかは、一緒に働いてみないとよく分からない。しかし、一緒に働くためには採用を決めなければいけない。ここに採用が抱えるジレンマがあるわけだが、この問題を解決するには……。
急募でいい人材は見つからないから、仕事よりも人が先
そう簡単に人を採用しないので、人を増やす急成長は難しくなります。たとえたくさんの仕事や案件があったとしても、経営者には忍耐強さが求められます。それでも「仕事があるから」と安易に人を入れてしまうことは避けるべきだと考えています。
前職のシステム開発の業界では、受注するタイミングで人を集めてプロジェクトを組まなければいけませんでした。とはいえ、常に空いてる人がいるわけでもないし、人数とスキルがマッチすることも少ないので、よく急募することになっていました。
「人もいないのに案件を受けるなよ」と当時から思ってはいましたが、人を確保しておいても失注するリスクがあるので、仕方ないことではありました。プロジェクトで人が足りないとなると、人材紹介サービスやパートナー企業、フリーランスなどに急募をかけるのですが、それですぐにアサインできる人を入れると、だいたい失敗します。そりゃそうです。本当にいい人なら、そう簡単に空いてることはないからです。こちらのタイミングに合わせていい人が暇になるようなうまい話はありません。
私たちの会社では、人を採用する理由は案件ではなく、「いい人がいるかどうか」です。いい人が見つかるまでは採用しないのです。価値観があって実力があり、信頼関係を築くことができて採用し、採用してから案件を受けるのです。この採用方針を「ピープルファースト」と呼んでいます。
5人で創業したときには、次に入れる6人目7人目の人のことを非常に慎重に採用していました。人数が増えてきたらその感覚が薄れていきそうになってしまいますが、何人目であろうともひとケタ台の社員を採用するつもりで対応しています。
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