どのようにすれば“いい人”を採用できるのか ポイントは4つ:急募をなくす(5/7 ページ)
一緒に働けるかどうかは、一緒に働いてみないとよく分からない。しかし、一緒に働くためには採用を決めなければいけない。ここに採用が抱えるジレンマがあるわけだが、この問題を解決するには……。
「P=パーソナリティ」
どれだけ足が速く、技術に長けていても、それだけではアヤックスの選手にはなれないのが、このTIPSのパーソナリティの部分です。サッカーはチームスポーツですし、トップチームになるとリーグ戦やカップ戦がシーズン中は続いていきます。そうした中では、優れた人格であることや、チームのために貢献できる性格であることが重要な要素になってきます。
セルフマネジメントでは自分のことだけでなく、周りを生かすことも大事だと書きましたが、周囲の人たちとうまく折り合っていくこと、対話していけることはパーソナリティに通じる部分です。やっぱり、嫌な感じの人とは一緒に働きたくないですから。
私たちの会社では、トライアル期間に一緒に仕事をしてもらうほか、合宿や飲み会に参加してもらったりすることで、一緒に働けるかどうかと同時に、一緒に遊べるかどうかも見ています。
「仕事仲間である前に、友達になれるかどうか」
それが重要な指針だと考えています。
「S=スピード」
サッカーにおいては、「どれだけ足が速いか」もアドバンテージにはなりますが、長時間のゲーム中をずっと走っているわけにはいきません。大事なのは、動きだしの速さや走り出しのタイミングがうまいかどうかです。
自己組織化チームの大きな特徴は、トライアンドエラーを自主的に繰り返しながら、軌道修正して進めていくということです。一発で正解を当てて突き進むというよりも、小さな失敗と成功を重ねながら、正解を探り当てていくイメージです。そうしたときに必要なスピードとは、距離を稼げる「速さ」ではなく「俊敏さ」のほうです。
私たちの会社では、トライアル期間から「振り返り」をしていますが、そこで自分自身で見直していける人、外からのフィードバックで変えていける人かどうかで見極めています。周囲も認めるような自分の考えを持っているのはいいですが、ただ頑固なだけな人とはやっていけそうにありません。
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