どのようにすれば“いい人”を採用できるのか ポイントは4つ:急募をなくす(6/7 ページ)
一緒に働けるかどうかは、一緒に働いてみないとよく分からない。しかし、一緒に働くためには採用を決めなければいけない。ここに採用が抱えるジレンマがあるわけだが、この問題を解決するには……。
セルフマネジメントできる人材を見極める4つのポイント
TIPSで見極めることができるのは、効率的に成果を出せる人材かどうかという点です。TIPSだけでは、自律的に働けるかどうかまでは分かりません。
自己組織化されたチームにセルフマネジメントができる人材は不可欠ですが、採用の段階でどうやったら見極められるのでしょうか。実際にトライアル期間で仕事を一緒にするほかに、面談をしていく中でも見極めるポイントが見えてきました。それが次の4つの観点です。
(1)現職の仕事を辞めてから応募にチャレンジしようとされる方は危ない
私たちの採用プロセスでは採用に非常に時間がかかりますし、そのことは表明しています。どれだけ実力があっても、信頼関係を築くためにはそれなりに時間がかかります。それを分かったうえで退路を断つというのは、リスクマネジメント的にも、それを受ける私たちの印象を考えてもマイナスです。
もちろん、例外もあります。とてもブラックな会社で働いていたので、遅かれ早かれどのみち会社を辞めるし、もし採用で落ちたとしても次のメドがあるというようなリスクマネジメントができているのなら大丈夫でしょう。要は「後先をちゃんと考えて行動しているか」ということです。
(2)面談をしている中で私たちが期待していることを答えようとする
頭の回転が速く、相手の期待を読み取る能力があることは、仕事をしていくうえで非常に大切です。しかし、面談の場では相手の本質を知りたいし、長くやっていけるように価値観やカルチャーが合うかどうかを見極めたいので、いい回答をするだけではダメなのです。
転職のような重要な局面で、しっかり自分自身の考えを持っていないと、その先でいつか後悔するときに誰かのせいにしてしまうことになります。自分で決めたことならがんばれるはずです。会社と社員は長く付き合っていきたいと考えているので、そもそも表面的な回答はいらないのです。
関連記事
- 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。 - 「佃製作所はやっぱりブラック企業」と感じてしまう、3つの理由
ドラマ「下町ロケット」の特別編が放映され、14.0%という高視聴率を叩き出した。多くの人がこのドラマを見て胸が熱くなったかもしれないが、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。ドラマの内容を考えると、「日本の未来に不安を感じる」という。どういう意味かというと……。 - 「バイトテロ」は訴えても抑止できない、3つの理由
アルバイトが不適切な動画をSNSにアップしたことを受け、くらコーポレーションが法的措置をとると宣言した。ネット上では「よくやった」「当然だ」といった声が多いなかで、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。どういうことかというと……。 - なぜ日本のおじさんは怒ると「責任者を呼べ!」と騒ぐのか
街中を歩いていて、おじさんが「責任者を出せ!」と騒いでいるのを聞いたことはないだろうか。例えば、駅員に大声を出したり、コンビニの店員を叱ったり、とにかく日本のおじさんはよく怒っている。なぜおじさんは「責任者を呼べ!」と叫ぶのか、その背景を調べてみると……。 - 「現金お断りの店」は、その後どうなったのか? ロイヤルHDの実験
1年ほど前、東京の日本橋に「現金お断り」のレストランが登場した。ロイヤルホストを運営するロイヤルHDが運営しているわけだが、キャッシュレスにしてどんなことが分かってきたのか。メリットとデメリットを聞いたところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.