どのようにすれば“いい人”を採用できるのか ポイントは4つ:急募をなくす(7/7 ページ)
一緒に働けるかどうかは、一緒に働いてみないとよく分からない。しかし、一緒に働くためには採用を決めなければいけない。ここに採用が抱えるジレンマがあるわけだが、この問題を解決するには……。
(3)採用の面談で一方的に判断してもらうのを待ってしまう
採用は互いに見極めるものだし、数字やチェックリストだけで判定できるほど簡単なものでもなく、進め方に正解もありません。指示命令の統制の効いた会社で受け身で仕事をしてきた人は、採用応募でも受け身で判定を待ってしまいがちです。それでは、セルフマネジメントの会社では通用しません。
「どうすれば一緒に働くことができるのか」という難問に対して、ただ一方的に待つのではなく、会社側と一緒に考えていける人を望んでいます。
(4)入社することをゴールに設定している
もちろん「一緒に働きたい」と言ってくれる人はうれしいし、非常にありがたいことです。しかし、入社をゴールにすると、入社した途端にモチベーションがなくなってしまう可能性があります。それよりも、「自分が何かしたいことがあって、そのために入社するんだ」というほうが安心感があります。
私たちは、規模を拡大するための単純な労働力として人が必要なわけではありません。会社は、働く人たちにとってのビジョンを叶えるための場所や機会でありたい。だから、入社後にやりたいことを持っている人がいいし、一緒にできることなら一緒にやりたいし、会社をあげて応援もしたいと考えています。
著者プロフィール:倉貫義人(くらぬき・よしひと)
大手SIerにて経験を積んだのち、社内ベンチャーを立ち上げる。2011年にMBOを行い、株式会社ソニックガーデンを設立。月額定額&成果契約で顧問サービスを提供する「納品のない受託開発」を展開。全社員リモートワーク、オフィスの撤廃、管理のない会社経営など新しい取り組みも行っている。著書に『管理ゼロで成果はあがる』『「納品」をなくせばうまくいく』など。倉貫義人のブログ
関連記事
- 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。 - 「佃製作所はやっぱりブラック企業」と感じてしまう、3つの理由
ドラマ「下町ロケット」の特別編が放映され、14.0%という高視聴率を叩き出した。多くの人がこのドラマを見て胸が熱くなったかもしれないが、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。ドラマの内容を考えると、「日本の未来に不安を感じる」という。どういう意味かというと……。 - 「バイトテロ」は訴えても抑止できない、3つの理由
アルバイトが不適切な動画をSNSにアップしたことを受け、くらコーポレーションが法的措置をとると宣言した。ネット上では「よくやった」「当然だ」といった声が多いなかで、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。どういうことかというと……。 - なぜ日本のおじさんは怒ると「責任者を呼べ!」と騒ぐのか
街中を歩いていて、おじさんが「責任者を出せ!」と騒いでいるのを聞いたことはないだろうか。例えば、駅員に大声を出したり、コンビニの店員を叱ったり、とにかく日本のおじさんはよく怒っている。なぜおじさんは「責任者を呼べ!」と叫ぶのか、その背景を調べてみると……。 - 「現金お断りの店」は、その後どうなったのか? ロイヤルHDの実験
1年ほど前、東京の日本橋に「現金お断り」のレストランが登場した。ロイヤルホストを運営するロイヤルHDが運営しているわけだが、キャッシュレスにしてどんなことが分かってきたのか。メリットとデメリットを聞いたところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.