働く人が“楽”になるために、僕はこんなことをしてきた:通勤をなくす(1/6 ページ)
「毎朝、満員電車の中で揺られて、通勤するのがつらい」といった人も多いのでは。生産性を高めつつ、働く人が楽になるにはどうすればいいのか。働く場所に縛られない、ソニックガーデンの「リモートチーム」を紹介する。
自律的に働く究極の形が、場所に縛られずに自由に働くスタイルです。私たちの会社では、社員の半数以上が地方に住んで在宅勤務をしています。渋谷に借りていた大きなオフィスは、2016年にはもったいないので引き払ってしまいました。今となっては、全社員でリモートワークをしています。
スノーボードが大好きで東京から長野県に移住した夫婦がいたり、海外を旅しながら仕事をする若者がいたり、場所に縛られないことで自分の人生を充実させている社員たちがいます。一方で、テレビ会議を活用することで会議室の調整や移動の時間をなくすなど効率化して生産性も高めています。
そんな私たちも、最初から今のような働き方をしてきたわけではありません。社内ベンチャーのころは大手企業の中にいたので、その会社の立派なビルに毎日スーツを着て通い、定められた勤務時間を自分の席に座って仕事をする働き方をしていました。
そこから自分たちの会社として独立をしたころから、より生産性を高めつつ、より働く人が楽になるにはどうすればいいか、試行錯誤を繰り返してきました。今の働き方は、その変化を続けた10年間の結果なのです。その軌跡のなかで分かった、リモートワークを実現するために必要なアクションをまとめます。
ステップ(1)ペーパーレスにする
社内で扱う書類は紙で印刷しなければいけないような環境では、在宅勤務やリモートワークは不可能です。大事なのはそこにある情報やデータであって、物理的な紙である必要などないはずです。ペーパーレスな環境にすることが最初のステップです。
大手企業の社内ベンチャーとして働いていた私たちが最初に取り組んだのは、紙の書類を使った仕事をなくすことでした。そういっても、もともと会社内の連絡などはシステム化されており、どうしても紙でないといけない仕事はそれほどなかったのですが、会議をする際などに、資料を印刷して配るようなことはありました。
そこは見直して、自分たちだけが参加するミーティングならば印刷せずにPCの画面で各自が見るようにしました。そうすると、準備の手間も減り、修正もすぐにできるようになって、生産性が上がりました。
自分たちが借りていた一室には、オフィスにあるような大きなコピー機とプリンタは置かないようにしました。契約書の原本などを管理することは残りましたが、ほぼ日常的に紙を扱って仕事をすることはなくなりました。
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