韓国の仮想通貨取引所が破産、幹部の横領が原因? 過去には保険金詐欺の疑惑も……:負債総額30億円
韓国の仮想通貨取引所CoinbinのパクCEOは2月20日、同取引所が2600万ドルを上回る負債を抱え破産したことを発表。破産の一因は同社の複数の幹部による横領だという。CCNが報じた。
韓国の仮想通貨取引所Coinbinのパク・チャンキュCEO(最高経営責任者)は2月20日、同取引所が2600万ドル(28億7000万円)を上回る負債を抱え破産したことを発表した。破産の一因は同社の複数の幹部による横領だという。CCNが報じた。
パクCEOによると、横領を図ったとされる幹部はCoinbinが買収した仮想通貨取引所Youbitの元CEOであるという。同幹部は100イーサリアム以上を保有するウォレットに鍵(管理する際に使用)を割当てたものの、その鍵を紛失したと主張しているようだ。
紛失した経緯については「テクニカルな問題で、事故だった」と説明しているようだが、彼らが仮想通貨取引に精通している専門家あることを踏まえるとその主張は疑わしいという。
破産手続きを開始するにあたり、Coinbin上のアカウントは即座に取引停止となった。今後の補償対応などの詳細は分かっていないようだが、同取引所のユーザーが損失を被ることが予想されるという。
保険金詐欺の疑惑も……
Coinbinが買収したYoubitはかつて2度のハッキング被害に遭い、破産に追い込まれていた。
Youbitは2017年12月に2度目となるハッキング被害に遭ったことを受け、同月に破産を申し立てた。当時加入していた韓国大手保険グループのDB損害保険に保険金の支払いを求めるも、Youbitはハッキング被害を公表する20日前に保険に加入していたことが判明。開示すべき情報をYoubitは適切に開示していなかったとして、保険金詐欺として訴えられていた。
だが、Youbitの運営会社Yapianはハッキング攻撃を受けたことを理由に保険金の支払いを拒むDB損害保険を批判。強気な姿勢を示していた。
Youbitのこれまでの対応を巡っては不透明な部分が多いと批判の声が挙がっている。今回の裁判を通し、全てが明るみに出るか注目される。
関連記事
- 韓国の仮想通貨取引所、誤って530万ドル相当の仮想通貨を無料配布 「補償を行う予定はない」
韓国の仮想通貨取引所Coinnestは1月19日に、誤って530万ドル相当の仮想通貨を顧客にエアドロップしてしまったことを明かした。サーバのエラーが原因という。 - 韓国人が仮想通貨にハマる3つの理由
仮想通貨市場は昨年2017年に一気に盛り上がりをみせたが、17年末時点の取引の3分の1は韓国勢によるものだったという。 - 仮想通貨市場に朗報? ミレニアル世代の43%は「株式市場より仮想通貨市場を信頼」
2018年から低迷が続いている仮想通貨市場だが、今後価格が大きく上振れる可能性があるという。米投資プラットフォーム運営会社eToroが仮想通貨取引に関する調査を自実施。ミレニアル世代の43%は株式市場より仮想通貨市場を信頼していることが分かった。 - 大手仮想通貨取引所のCEO死亡、1億5000万ドル相当の仮想通貨にアクセスできず 「奇怪で信じがたい」
カナダの大手仮想通貨取引所QuadrigaCXのジェラルド・コットンCEOが死亡。1億5000万ドル相当の仮想通貨が引き出せない状態に。他の取引所も困惑しており、今後も影響が広がりそうだ。 - 負債総額439億円、破綻した英会話教室「NOVA」はなぜ再起できたのか
2007年10月、英会話教室「NOVA」を展開していたノヴァは439億円という巨額の負債を抱え事実上の倒産に陥った。そんなNOVAの生徒数が、いま右肩上がりに伸びているという。隈井恭子社長にこれまでの道のりを聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.