年収上げたい若手、達成感求める管理職――調査で分かった「転職理由」の差:「休み増やしたい」管理職は少数派
課長職以上の管理職の転職理由は? リクルートキャリアが調査結果を発表。2位は「自分の仕事が評価されていない」「上司のマネジメントへの不満」だった。1位だった理由は何なのか。そして若手の転職理由とどんな差があるのか。
課長職以上の管理職(マネジャー)が転職を考えるきっかけは? リクルートキャリアが調査した結果、1位は「仕事の達成感が得られない」(49.8%)。2位は「自分の仕事が評価されていない」と「(さらに上の立場の)上司のマネジメントへの不満」(ともに44.9%)、4位は「会社の将来性への不安」(44.5%)という結果だった。
5位は「仕事内容への不満」(36.8%)、6位は「賃金への不満」(32.4%)、7位は「仕事の裁量権がない」(30.5%)と続いた。ビジネスパーソンが抱きがちな「職場の人間関係への不満」(18.4%)は10位と低かった。
また、マネジャーが転職先を選ぶ際に重視する項目は、「自分の専門性を生かすことができる」(69.5%)がトップ。2位は「仕事の成果や業績が正当に評価される」(60.7%)、3位は「自分のやりたい仕事ができる」(57.3%)、4位は「裁量権のある仕事を任せてくれる」(55.5%)だった。「企業戦略やビジョンが優れている」(51.1%)などの意見もあった。
マネジャーには、現場の仕事も一部担う層(プレイングマネジャー)と、管理職に専念する層が存在する。調査によると、前者には「経験・能力をより生かしたい」「自分のやりたい仕事がしたい」、後者には「経営に関わりたい」「マネジメントスキルを伸ばしたい」を転職理由に挙げる人が多かった。
転職理由は若手とどんな差がある?
一方、厚生労働省が2013年に実施した「若年者雇用実態調査」では、15〜34歳の若手労働者が転職を考える理由は「賃金のよい会社に変わりたい」(44.6%)が首位で、「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社に変わりたい」(40.6%)が2位という結果が出ていた。「独立して事業を始めたい」(14.6%)、「ノルマや責任が重すぎる」(10.5%)という声もあった。
ただ今回の調査では「稼ぎたい」「休みたい」「ノルマを減らしたい」「独立したい」――といった考えのもとで転職を検討するマネジャーは少なかったため、マネジャーは若手よりも達成感、高評価、裁量権が得られる環境を積極的に求める傾向があることがうかがえた。
調査は18年9月14日〜30日にかけてインターネット上で実施。リクルートキャリアが運営するハイクラス向け転職サービス「CARRER CARVER」の会員のうち、課長職以上の321人を対象に実施した。
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