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Mazda3に見るマツダの第7世代戦略池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/4 ページ)

北海道上川郡剣淵町のテストコースで開催されたマツダの雪上試乗会にMazda3が用意された。筆者はすでに北米での試乗会で運転して、十分以上に驚いた後なのだが、さらにもう一度驚かされた。

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第7世代

 マツダの第7世代は、これまで積み重ねてきたSKYACTIVテクノロジーを、もう一度「原理・原則」に立ち返って人間中心を軸に組み直したものだ。そして少なくともMazda3を見る限り、他社を一気に突き放すものになっている。モデル末期とはいえ、このクラスの指標となってきたフォルクスワーゲン・ゴルフを完全に凌駕した。スタイルのためにドライバー側に寄せられて寝かされたAピラーの圧迫感。それによる室内空間の健康さの不足を除くと、ちょっと欠点がない。トーションビームアクスルで心配されるリヤサスのバタバタ感も凹凸の多い雪路で全く問題なかったことを見るとネガらしいネガは見当たらない。

電制多板のセンターデフ。常にタイヤの滑りをモニターしながら、駆動力を配分する。常時1%のトルクをリヤに流し続けるのがミソ
電制多板のセンターデフ。常にタイヤの滑りをモニターしながら、駆動力を配分する。常時1%のトルクをリヤに流し続けるのがミソ

 Mazda3はちょっとした革命だと思う。しかも今月5日にはMazda3の車高を上げたクロスオーバーモデル「CX-30」が発表された。乗ってみないで言うのも危険だが、これがMazda3とほぼ同じ性能だとすると商品性でもかなりなことになる気がする。

 と書きながら筆者は思う。今後出てくるマツダ車がこれより良くなったとき、一体どうやって原稿を書いたらいいのだろうか? ダメなものは愛か怒りを持って批判し、褒める時は手加減しないでちゃんと褒めることを信条としてきたが、これ以上良くなると本当に困る。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。

 →メールマガジン「モータージャーナル」


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