4月から順次施行される「働き方改革法」のうち、「同一労働・同一賃金の原則」(2020年4月より適用)では、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の格差解消が期待されている。そもそも現在、正規と非正規の間で満足度や待遇にどれくらい差があるのだろうか。
就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」がまとめた「同一労働・同一賃金 正規と非正規の働き方」の調査(働きがい研究所 調査レポート Vol.58/4月9日発表)では、「正社員と契約社員で総合的な満足度に差はない」という結果が出た。
正規雇用労働者(正社員)と非正規雇用労働者(契約社員)の満足度比較では、「待遇の満足度」や「社員の士気」「月間平均残業時間」「有給消化率」など10項目を総合的に評価。「待遇の満足度」では正社員のスコアが高い一方で、「社員の士気」では契約社員のスコアが上回るなど評価が分かれ、総合評価では差がないという。
また、同社が過去に実施した調査結果から、「新入社員のモチベーションは最初の3年で一気に低下する」ことが分かっており、不満を持ちながら転職活動をせずに働き続ける割合の高い正社員に対して、有期雇用である契約社員の方がモチベーションを保ちやすいのではないかと考察している。
一方、正社員のスコアが高かった「待遇の満足度」について、同社のデータから平均年収を比較した結果では、正規の530万円に対して非正規が343万円と187万円の差があり、企業規模別に見ると大企業では216万円とその差はさらに広がるという。また、非正規は企業規模が違っても平均年収が変わらないことも分かる。このことから「待遇の満足度」比較で中小企業と大企業のスコアが大きく異なるのは「金額の差」であると結論している。なお、企業規模別に見ると、「法令順守意識」の項目のみ、中小企業と大企業で結果が逆転している。
調査対象データは、Vorkers に投稿された「正規雇用労働者(正社員)」および「非正規雇用労働者(契約社員)」29万5458人のクチコミ評価を集計し、「格差」を分析したもの。年収については数値集計を開始した2018年5月以降62万1162人のデータを対象にしている。
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