今の気持ちを漢字一文字で表すとしたら何ですか? この春就職した新入社員に聞いたところ、昨年に引き続き「新」(32人)であることが、日本能率協会の調査で分かった。次いで「挑」(24人)、「努」「進」(いずれも13人)と続いた。
前向きな気持ちを表す漢字が並んだ一方で、昨年は1人だけだった「不」が、今年は10人に。「新生活・新時代を迎えるにあたって、昨今の変化の激しい状況の中で『不』安な気持ちが表れているのかもしれない」(日本能率協会)
仕事をしていくうえでの不安を聞いたところ、「仕事での失敗やミス」と「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるのか」(43.0%)が同率でトップ。「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるのか」と答えた人を男女別でみると、男性37.7%に対し、女性は54.0%。「仕事に対する現在の自分の能力・スキル」を挙げたのは、男性24.6%に対し、女性は41.1%。「女性活躍を進めるためには、女性が自信をもって働けるように、入社後からしっかりとサポートする必要がありそうだ」(同)
定年までひとつの会社で働きたいかどうかを尋ねると、「ひとつの会社で勤めたい(どちらかというとを含む)」と答えたのは62.7%。「機会があれば転職・独立したい」は37.2%。過去の結果をみると、1989年では転職・独立派が50.2%に対し、定年派は30.5%。99年では転職・独立派が60.6%に対し、定年派は27.4%。転職・独立派の割合が大きくなっているのに対し、2009年の転職・独立派は45.7%、定年派は43.1%と両者は拮抗する結果に。
この結果を受けて、日本能率協会は「平成時代は就職氷河期やグローバル化による不安定な経済・社会状況を背景に、新入社員の意識はとりあえず就社することへ変遷してきたと言えそうだ。昨今の新入社員は『安定志向』が強いことも読み取れた」とコメントした。
インターネットを使った調査で、この春就職した新入社員384人が回答した。調査期間は3月28日から4月9日まで。
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