「10連休」が日本のためにならない、やっぱりの理由:スピン経済の歩き方(2/5 ページ)
10連休が終わった――。ある調査によると、連休明けに「会社に行きたくない」と答えたのは、8割にも上った。「働きすぎ」「もっと休まなければいけない」といわれている中で、なぜ10連休に批判の声が多いのか。
日本の生産性は低空飛行
例えば、今回のような「大型連休」が増えれば、ただでさえ低い日本の生産性が低空飛行のままビタッと定着してしまう恐れがある。
「おかしな言いがかりをつけるな! 連休でしっかり休めば生産性もアップするだろ!」とお叱りの言葉がジャンジャン飛んできそうだが、そもそも生産性とは、労働が生み出す付加価値、とどのつまりは「賃金」が大きな影響を与えるものであって、連休が多い少ないはまったく関係ない。
実際、主要先進7カ国(G7)の中で労働生産性最下位の日本は、同じくG7の中でダントツで公休日が多い。つまり、一部の専門家が喧伝(けんでん)している「しっかり休んでリフレッシュすれば生産性もアップ理論」というのは、「歯を食いしばってがんばれば、いつかきっと結果が出る」と同じ精神論に過ぎないのである。
因果関係がないのなら、連休があったって問題ないだろと思う方もいるかもしれないが、そういうわけにはいかない。日本は公休日が世界でもダントツに多いせいで、生産性向上のためにも必要なあるものがダントツに少なくなってしまっているからだ。
勘のいい方はお分かりだろう、有給休暇である。
有給休暇国際比較調査を行っているエクスペディアによれば、日本人の有給取得率は50%で3年連続で最下位となっている。
よその国の人間よりも真面目だから。仕事に対する責任感が強いから。などなど、この結果を「日本人スゴい論」によって正当化することはいくらでもできるが、日本社会に「有給休暇」を取得できない空気がまん延していて、そのせいで労働者が生み出している価値も無駄に消え失せている、という現実だけは直視しなくてはいけない。
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