19年度新卒入社の初任給、東証1部企業は据え置き傾向:新卒採用は売り手市場だが・・・
労務行政研究所が2019年度新入社員の初任給調査の結果を発表した。東証1部上場企業241社のうち、全学歴の初任給を引き上げた企業は35.7%だった。
売り手市場が続く新卒採用だが、新入社員の初任給引き上げは落ち着きつつあるようだ。労務行政研究所が2019年度新入社員の初任給調査を行ったところ、東証1部上場企業241社のうち全学歴の初任給を引き上げた企業は35.7%。18年度の調査から4.0ポイント減少した。
初任給の改定状況として最も多いのは「全学歴据え置き」で57.3%(前年比5.0ポイント増)で、「一部据え置き」(7.1%、同0.8ポイント減)の企業を合わせると6割を超えた。初任給を引き下げる企業はなかった。
労務行政研究所は「引き上げの機運は続いているが18年度より落ち着いた。中でも、接客業やサービス業を含む非製造業は引き上げが少なく、昨年と変わらない企業が多い」としている。
学歴別で見ると、初任給の引き上げが最も多かったのは高校卒(一律)で45.5%。同研究所は「若年層を中心に給与を引き上げる企業の中には、高校卒の初任給を底上げする企業もある。その影響ではないか」と分析する。大学院修士は42.6%で、大学卒(一律)は42.1%だった。短大卒は39.2%と唯一4割を切った。
初任給の水準は、大学卒(一律)が21万2304円(前年比1479円増)、大学院修士が22万9951円(同1548円増)、短大卒が18万2184円(1413円増)、高校卒(一律)が17万505円(1495円増)だった。
調査は4月9日まで東証1部上場企業2090社を対象に実施。アンケート調査と電話取材で241社から回答を得た。
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