DMM亀山会長らが語り合う「10年後のパラダイムシフト」――世界の“インフラ勢力図”はどう変わるのか?:覇権争いは原発からクラウドへ(5/5 ページ)
変化の激しい時代にチャンスをつかむには、どうすればいいのか。DMM.com会長の亀山敬司氏、gumi会長の國光宏尚氏、グリー会長兼社長の田中良和氏、ウォンテッドリー代表取締役CEOの仲暁子氏ら、時代の先端を行くトップランナーたちが語り合った。
10年間で「XR」「IoT」「クラウドAI」の市場が大きくなる
國光: 僕としては、今はVRやARのようなXRとブロックチェーンの2つがど真ん中という感じです。「gumi 國光 note」で検索していただけると分かると思いますが、その辺についは長編ポストもしていますから読んでみてください。ただ、テクノロジーで重要なのは時間軸なんですね。意外とそこを無視して話す人が多いから話がややこしくなるんですけれども。AIが人の仕事を奪うというのは事実です。ただ、その時間軸はというと、ここから5年はそこそこで、5〜10年後はめちゃくちゃ進む。それで10年ほど先は今の単純作業、つまりものづくりやサービス業におけるほとんどの仕事がなくなると考えています。
そういう、ここから先の10年で起きる大きなイノベーションを僕は「Web3.0」と言っています。パラダイムが大きく変わる瞬間がある。今までの10年は「Web2.0」でした。具体的には、スマートフォン、ソーシャル、クラウド。面白いのは、そうしたテクノロジーが同じ時期に密集して出てきた点です。iPhoneが出たのは2007年、AWSやクラウドが出たのは2006年、そしてTwitterやFacebookが伸びてきたのは2007年です。ここ10年間で重要だった3つのテクノロジーは、だいたい2007年前後に出てきました。
じゃあ、これからの10年間で何が起こるかというと、まずデバイスとしてはスマートフォンなんてなくなるに決まっている。未来のインタフェースは、空間全てがデバイスになるという意味でARグラスやコンタクトレンズ型のARデバイスになると考えています。これは来年か再来年ぐらいにアップルが出してくるから、そこからAR時代がはじまる。
また、そういう時代になると全てのものがネットにつながります。IoTですね。さらにクラウドベースのところでAIが使えるようになるというクラウドAI。この3つです。XR、IoT、クラウドAIが大きくなるというイノベーションが今後10年で起こる。で、さらにその先で起きるイノベーションがブロックチェーンなんだと僕は考えています。だから、今後10年のXRと、その先の10年のブロックチェーンという2つを、僕は今がっつり見ています。(後編に続く)
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