アマゾン傘下のクラウドベンダーが、開発者向けコワーキングスペースを運営する理由:狙いはどこに?(1/3 ページ)
共創ビジネスやビジネスコミュニティーを生み出すため、コワーキングスペースを設ける企業が増えてきた。コワーキングスペースの運営は、企業にどんなメリットをもたらしているのか。
共創ビジネスの促進やビジネスコミュニティーの形成などを目指し、社外の人でも利用できるコワーキングスペースを設ける企業が増えてきている。アマゾン ウェブ サービス ジャパンが2018年10月に目黒にオープンした「AWS Loft Tokyo」もその1つだ。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は、米Amazon.com傘下のクラウドベンダーであるAmazon Web Serviceの日本法人。Webサービスを立ち上げるのに必要なストレージやデータベース、アプリケーションなどを企業や個人にオンデマンドで提供しており、Amazon.co.jpをはじめ、さまざまな企業のサービスを支えている。
AWS Loft Tokyo(以下、ロフト)があるのは、同社が入居する目黒セントラルスクエア(東京都品川区)。開発者やスタートアップ向けのコワーキングスペースで、クラウドコンピューティングサービス「Amazon Web Service」(AWS)のアカウントがあれば、無料で利用できる。予約不要で電源も自由に使え、会議室や電話用ブース、カフェ、自販機なども用意されている。
利用者からは「開発に必要な環境が全て整っている」「オフィスのように毎日通っている」といった声が上がるなど評判は上々だが、なぜそんな至れり尽くせりのコワーキングスペースを作ったのだろうか。
AWSジャパンの畑浩史さん(スタートアップ事業開発部プリンシパル)は、「ロフトの根底には開発を促進したいという思いがある」と話す。
ロフトと同様の施設は、すでに米国のサンフランシスコとニューヨークに常設されている。スタートアップ企業が集まる東京にロフトを設けることで、日本でもAWSが提供するサービスの活用や起業、新規ビジネスの創出などをサポートする狙いがあったという。
「コワーキングスペースを活用することで、利用者は作りかけのサービスや構想段階のプロダクトをより早く世に出せるようになる。イノベーティブなサービスが増えれば世の中のためにもなるし、そこでAWSを活用してもらえれば、われわれにとってもうれしい」(畑さん)
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