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沖縄の有名な廃虚ホテルが、解体を決めたワケ:“幽霊ホテル”と言われ(2/2 ページ)
沖縄県にある世界遺産の中城城跡の隣で、1972年5月の日本復帰から数カ月だけ営業したという幻の「中城高原ホテル」。県営中城公園として整備するため、解体工事が始まって……。
映画の資金つぎ込み
復帰に伴い、中城公園は県管理へ移行することが決まった。高良氏はホテルの建設を条件に承諾。ホテルの建設資金には那覇市内で経営していた映画館「アーニー・パイル国際劇場」や「平和館」の売り上げをつぎ込み、妻の故静しずさん(享年72)も模合で資金集めに奔走した。
ところが、ホテルと一般道をつなぐ出入り口部分が県管理になったため、宿泊客の通行が問題化。営業は1、2カ月で中止になったという。
奥村さんは「子どもは誰もホテルを経営できなかったけれど、あれだけいろいろなことをやった父と母なら『地域のため』と分かってくれるはず」と話す。
解体は、重機で少しずつ崩す方法で進む。「ダイナマイトでボンと1回」を想像していた奥村さんは複雑な気持ちだが、解体現場に通うと決めている。
高良一(たから・はじめ)
1907年、宮古島生まれ。県外で海運業に従事し、帰郷。うるま新報記者などを経て1948年、那覇市牧志にアーニー・パイル国際劇場を開館。第一相互銀行の頭取や沖縄県観光連盟の初代会長を務めた。政界でも活躍し、1948年に戦後初の那覇市議選に当選。57年から12年間にわたり那覇市議会議長を務めた。94年死去。
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