苦戦していた「沖縄ファミマ」が稼ぎまくるようになった経緯が面白い:全国より高い平均日商(1/6 ページ)
沖縄にあるファミマの全店平均日商は全国平均より高い。なぜ沖縄のファミマの稼ぐ力は高いのか。地元に密着した独自の商品開発力やマーケティング施策に迫る。
ファミリーマートの全店平均日商は約53万円だが、沖縄エリアに限定すると約65万円に跳ね上がる(2019年2月期)。背景にあるのは、地元に密着したユニークな施策の数々だ。沖縄県限定のテレビCMや商品開発などが地元住民に支持されている。
ファミマの澤田貴司社長は4月10日の決算説明会で、好調な“沖縄モデル”に触れたうえで「本部が一律にいろいろなことを展開する時代はとっくに終わっている。コアな部分は本部がしっかりやるが、地域に密着して、権限をどんどん委譲することを検証しないといけない」と発言した。また、ファミマは、19年3月から「営業部門」「店舗開発部門」「商品開発・販売促進部門」など、通常本社が持つ機能を権限委譲するリージョン制を東北地方と九州地方で導入している。沖縄モデルを見習って、地域に密着した売り場づくりや商品開発を推進するのが目的だ。
セブン−イレブンは沖縄進出を表明している。今後、沖縄県を舞台にしたコンビニ間の競争が激しさを増すのは確実な情勢だ。迎え撃つ沖縄のファミマはどのような独自路線を歩んでいるのだろうか。担当者に話を聞いた。
1987年に誕生した沖縄ファミマ
沖縄でコンビニ事業を展開しているのは「株式会社沖縄ファミリーマート」(那覇市、以下「沖縄ファミマ」)。同社は、ファミリーマートと沖縄県で百貨店やエンターテインメント施設などを運営するリウボウグループの共同出資会社だ。出資比率はリウボウが51%、ファミマが49%となっており、設立されたのは1987年である。
沖縄ファミマは、沖縄県内におけるエリアフランチャイズ本部としてチェーン展開している。沖縄県の店舗オーナーは、沖縄ファミマとフランチャイズ契約を締結している。フランチャイズチェーンが全国展開するなかで、各地域の有力企業と組んでこういったエリアフランチャイズ制を選択するケースは他にもある。地元の“盟主”が前面に出たほうがさまざまな点で有利だからだ。
沖縄県におけるファミマの店舗数は327(19年5月末現在)。本島に285店あり、宮古島や石垣島などの離島でも営業している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
豊洲市場の吉野家が面白い 「時給1500円」に「超少ないメニュー数」
2018年10月に吉野家の1号店は築地から豊洲市場に移転した。他店とは違うユニークな運営がされている。創業精神を受け継ぐお店に行ってみた。
レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。
「なぜ売れるか分からない」 ドンキ化したファミマの人気商品に幹部が困惑
ドン・キホーテのノウハウを取り入れた共同実験店が6月にオープンした。店舗の売れ筋商品を分析したところ、ある商品が上位に食い込んだ。ファミマの幹部は「なぜ売れるのか分からない」と原因を分析しきれていない。
ファミマが「からあげクン」に“宣戦布告” 新商品の「ポケチキ」を食べ比べてみた
ファミリーマートが一口サイズのフライドチキン「ポケチキ」を発売する。ローソンの看板商品「からあげクン」と競合する商品だ。ポケチキとからあげクンを実際に食べ比べてみた。
大阪が誇る「スーパー玉出」 毎日「1円セール」をしてももうけが出る仕組みに迫る
大阪市内最強のローカル食品スーパーといえる「スーパー玉出」。インパクトの強い看板やパチンコ店のような内装が特徴だ。名物の「1円セール」でもしっかりもうけるビジネスモデルに迫る。
