苦戦していた「沖縄ファミマ」が稼ぎまくるようになった経緯が面白い:全国より高い平均日商(2/6 ページ)
沖縄にあるファミマの全店平均日商は全国平均より高い。なぜ沖縄のファミマの稼ぐ力は高いのか。地元に密着した独自の商品開発力やマーケティング施策に迫る。
ざるそばのつゆも沖縄仕様
沖縄ファミマではさまざまな沖縄限定商品を開発している。特に注目すべきは弁当やパンといった中食分野だ。約7割が独自開発商品となっている。
分かりやすい例でいうと、ゴーヤーチャンプルー弁当、タコライス弁当、ランチョンミートや卵を挟んだおむすびなど、地元で親しまれている商品をコンビニ風にアレンジしている。
店舗の食品売り場を見ると、本土のファミマとほぼ同じパッケージのざるそばや冷やし中華が並んでいるが、実はつゆを沖縄仕様に変えている。本土のつゆメーカーと一緒になって沖縄県民に受け入れられる味を開発している。ちなみに、これらの麺は本土と同じものを使用しており、スケールメリットを生かせる分野とそうでないところでメリハリをつけている。
大手コンビニでは全国をいくつかのエリアに分けて、おでんのつゆの味を微妙に変えているのは有名な話だが、沖縄ファミマでは“現地化”させた商品数の割合が多いのが特徴だ。
焼きたてのパンやピザも提供
焼きたてのパンやソフトクリームを提供しているのも沖縄独自の取り組みだ。現在、焼きたてパンを扱っているのは21店舗だが、売り上げ全体に占める割合が7%になる店舗もあるという。担当者は「焼きたてパンを扱っている店では、袋に入れたパンの売り上げは落ちますが、パンカテゴリー全体の売り上げはアップします。また、集客力を高める効果があります」と説明する。焼きたてのピザは57店舗で提供しており、注文があってからオーブンに入れて焼き上げる。
ソフトクリームは168店舗で提供している。カウンターの後ろ側にソフトクリーム製造機があり、店員がコーンを設置してボタンを押すだけで完成する。これはメーカーと共同で開発したものだ。
沖縄エリアの特徴として、ファストフードの売り上げ比率が本土より高いという点が挙げられる。担当者は「沖縄は外食が盛んな地域なので、即食性が支持されやすい傾向があります」と説明する。沖縄の平均日商は全国平均より高いが、その主因は来店客数の多さだ。気候が温暖なこともあり、ふらっと外出して食事をとるスタイルが広がっており、そのニーズに応えているのだ。
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