苦戦していた「沖縄ファミマ」が稼ぎまくるようになった経緯が面白い:全国より高い平均日商(3/6 ページ)
沖縄にあるファミマの全店平均日商は全国平均より高い。なぜ沖縄のファミマの稼ぐ力は高いのか。地元に密着した独自の商品開発力やマーケティング施策に迫る。
テレビCMも独自に制作
沖縄ファミマが独自に制作しているテレビCMも内容が非常にユニークなので、いくつか紹介しよう。
例えば、沖縄のイントネーションで話す店員(中年女性)が、弁当を購入したお客に対して何度も「あたためたほうがおいしいよ」と勧めるCMがある。これは、沖縄では珍しくない「人がよくて、おせっかいなおばさん」を表現したもので、女性をターゲットにしたアルバイト募集のCMだ。
今やコンビニ運営に欠かせなくなった外国人従業員を募集するためのCMもある。沖縄にはネパール人が多く住んでいることを踏まえ、CMではネパール人と日本人店長の掛け合いが面白おかしく描写される。ネパール語が飛び交うため、日本語しか知らない人が見ると中身を100%理解できないほどだ。
独自のイメージキャラクターも誕生している。ファミマの看板商品であるファミチキのイメージキャラクターは「ファミチキ先輩」だが、沖縄で人気の高い骨付きのフライドチキンをイメージした「フラチキ先輩」が存在する。フラチキのCMには、フラチキ先輩に加え、「おじい」と「おばあ」(いずれも、沖縄独自の高齢者の呼称)が登場する。CMソングも沖縄オリジナルだ。
沖縄独自の“コーヒーマシンシステム”
大手コンビニチェーンですっかり定着したコーヒーマシンでも、沖縄独自の方法が採用されている。お金を支払ってからカップを受け取り、マシンにカップをセットして、ボタンを押すというのが一般的な流れだ。しかし、沖縄ファミマでは、先にマシンのボタンを押して飲み物をカップに入れて、レジに持って行ってお金を支払うスタイルになっている。コーヒーマシンの運用ルールを決めるに当たり、「(後払い方式にすると)お金を払わずに店の外に出る人がいるのではないか?」と反対する声があった。しかし、店舗で実験した結果、お客の利便性が高いのは後払い方式だという結論に落ち着いた。沖縄ファミマでは、この方式をお客に周知するため、独自のテレビCMを作成している。
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