2015年7月27日以前の記事
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投資のきっかけは仮想通貨? なぜ若者はビットコインを買ってしまうのか(2/3 ページ)

「投資のきっかけは仮想通貨のリップルを買ったことです」。金融庁は貯蓄から投資へのシフトを促し、各社が若年層向けの投資商品や金融教育を推進している。ところが、若者にとって投資の入り口になっているのは皮肉にも仮想通貨だ。

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投資初心者の取り込みを狙う各社

 こうした社会情勢や、NISAやiDeCoといった国の税制優遇策を背景に、多くの企業が、投資未経験者をターゲットにしたサービスをスタートさせている。

 銘柄選びや運用を企業にお任せする「ロボアドバイザー」サービス各社も、投資未経験者の取り込みを狙う。THEOを運営するお金のデザインは、「金融資産100万円未満の人もスタートし始めた。女性ユーザーも増加している」と、初心者の利用増加をアピールする。しかし、ロボアドバイザーは、WealthNavi、THEO、楽天の大手3社を合わせても、ユーザー規模は20万人強でしかない。

 投資後、20年間に渡って投資利益を非課税とする「つみたてNISA」も、金融庁のキモ入りでスタートした制度だ。従来のNISAに比べると、40代以下が7割と多く、投資初心者の入り口の一つとなった。しかし開始から1年経った時点での口座数は100万口座。開始から5年で1100万口座を超えている一般NISAと比べると、必ずしも順調とは言えない(2月13日の記事参照)。

 一方で、仮想通貨の取引経験者は数多い。2018年4月に日本仮想通貨交換業協会がまとめた資料では、利用者は350万人にのぼっている。そして、40代までで全体の約9割を占めるなど、ほとんどが若者だ。全体の77%が預け入れ資産額10万円未満となっており、まさに小遣い感覚の投資として参加している様子がうかがえる。

 さらに、米DataLightが取引所トラフィックデータなどからまとめた調査(4月29日発表)によると、日本のユーザー数は610万人に増加しているという。日本の20〜40代の人口は約4500万人。仮に610万人の利用者の9割が40代以下だとすれば、実に10人に1人が何らか仮想通貨取引の経験者だという計算になる。


米DataLightによる仮想通貨を取引するユーザー数の推計

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