20代男性の5人に1人は「就活中にセクハラ受けた」 セクハラする側に「認識の甘さ」:就活セクハラの現状
日本労働組合総連合会が「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019」を発表した。就職活動中にセクハラを受けた人は男女問わずいるが、被害を受けた人の割合が最も高いのは20代男性だった。
20代男性の5人に1人は就職活動中にセクハラを受けたことがある――日本労働組合総連合会(連合)の調査でこんな事実が分かった。
調査によれば、就活経験者835人のうち、就活中にセクハラを受けたことがある人は10.5%(88人)と約1割。被害を受けた人の割合が最も高いのは20代男性で、21.1%だった。次いで30代女性(15.5%)、20代女性(12.5%)、30代男性(10.7%)――と続いた。
連合は「今回の結果はあくまで参考値だが、男性へのセクハラについては、セクハラする側の認識がまだ甘く、『男性なら大丈夫だろう』と思っている部分もあるのではないか」としている。
セクハラを受けた人にどんなハラスメントがあったか聞いたところ、最も多く挙げられたのは「性的な冗談やからかい」(39.8%)だった。「性的な事実関係(性体験など)の質問」(23.9%)、「食事やデートへの執拗な誘い」(20.5%)を受けたという人も、それぞれ2割以上いた。
さらに、性別によって受けやすいハラスメントに違いがあることも分かった。男性は女性と比べて「性的な事実関係(性体験など)の質問」や「性的な内容の情報(うわさ)の流布」を受けた人が多いが、女性は「食事やデートへの執拗な誘い」や「必要のない身体への接触」を受けた人の割合が男性よりも高い。連合は「どのセクハラにも問題はあるが、女性はより深刻な被害に悩まされているのではないか」としている。
調査は5月8、9日にインターネット上で実施した。
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