ニュース
HUBがビールを値上げしたのに、客数と売り上げを増やせたワケ:災い転じて福となす(1/4 ページ)
英国風PUBチェーンの「HUB」は2018年6月にビールを値上げした。しかし、客数は減るどころか逆に増えた。どのような戦略を打ち出したかというと……。
英国風PUBチェーンの「HUB」は2018年6月、業務用ビールの仕入れ値上昇に伴い、ビールを10円値上げせざるを得なくなった。ただ、値上げと同時にドリンクやフードの価格を見直すことで、客数は減るどころか増加し、結果的に19年2月期の既存店売上高は2.3%の増収となった。
外食チェーンにとって、“値上げ戦略”は非常に難しい。一歩間違えば、客数が大幅に減ってしまう可能性がるからだ。HUBも過去に値上げで失敗したことがあるという。
「災い転じて福となす」経緯はどのようなものだったのか。担当者に話を聞いた。
HUBが抱いていた危機感
ビール値上げとほぼ同じタイミングで、HUBはある危機感を抱いていた。既存店の売上高が11年2月期〜17年2月期まで前年比増の状況が続いていたのに、18年2月期にマイナスに転じたのだ。
背景にあったのは低価格を武器にした居酒屋チェーンの増加だ。HUBの平均客単価は1500円前後だが、同じような価格帯で飲める焼き鳥や串カツチェーンが台頭してきた。HUBを運営するハブは危機感を持つようになった。そんな状況で、値上げを表明してしまえば、“マイナス成長”が加速しかねない。さらに、ビールを10円値上げしたとしても、仕入れ価格の値上げ分を全て吸収できるわけではなかった。このような絶望的な状況で、HUBは戦略の見直しを迫られていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「どさん子ラーメン」は今…… 急成長から衰退までの経緯と復活のシナリオに迫る
札幌みそラーメンの“伝道師”として急成長した「どさん子ラーメン」。かつては1000店以上を展開していたが、マネされるのも早かった。“衰退”したと思われている一方で、復活に向けた動きもある。
「ハイボール 1杯50円」で、どうやって儲けているのか 鶏ヤローのカラクリ
首都圏の繁華街を歩いていると、「角ハイボール 50円」と書かれた看板を目にするようになった。激安の雰囲気が漂うこの店は、どのような特徴があるのか。運営会社の社長さんに話を聞いたところ……。
レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。
「大阪王将」に後れを取っていた「餃子の王将」の業績が復活したワケ
「餃子の王将」を運営する王将フードサービスが復活しつつある。女性向けの新業態店や安価で量を減らしたメニュー開発が奏功したが、本質的な理由はほかにもあるという。どのような戦略を打ち出しているのだろうか。
清算された「ハブ」が、過去最高を更新している秘密
「英国風パブ HUB」を運営しているハブの業績が好調である。2017年2月期の売上高は過去最高、18期連続で増収だ。かつて売上低迷で事業清算されたハブが、なぜ復活したのか。その理由について、同社の太田社長に話を聞いた。

