マネックス証券がダークプール活用 SOR注文で有利な価格に
マネックス証券がダークプールを使うSOR注文サービスを開始した。複数の取引所の中から最も有利な条件で注文を出す。東証で取引した場合よりも有利になった場合、改善効果を約定画面で確認できる。ネット証券を中心にダークプールの利用が進みつつある。
マネックス証券は6月18日、東京証券取引所に加えてPTS(私設取引所)とダークプールを使うSOR注文サービスを開始した。現物株の取引で利用でき、SOR注文が初期状態となる。SORとはスマート・オーダー・ルーティングの略で、複数の取引所の中から最も有利な条件で注文を出す仕組み。
ダークプールとは、証券会社が投資家同士の注文をマッチングさせる取引を指す。ゴールドマン・サックスや野村證券、大和証券などが提供しており、国内の株式取引の5〜10%程度がダークプールで取引されているとみられる。証券会社の自己売買のほか、売買状況が秘匿されるため大株主が大量の株式を売却するときなどに利用されてきた。
「ダークプールを入れることで、顧客にとって最良の価格を提供できる可能性がある。SORに対するニーズが、当社顧客においては、1〜2年前くらいから高まってきた」(マネックス)
ダークプールは一般の投資家にも開放されつつある。既に、SBI証券のほか、みずほ証券、松井証券、カブドットコム証券、STREAMなどがダークプールと接続したSORサービスを提供している。
マネックス証券が接続するPTSは、ジャパンネクストPTSの第一市場。取引時間は、日中の東証立会時間と同じとなる。また、ダークプールの利用は信用取引口座または先物オプション取引口座の開設が必要。手数料は、通常の現物株式取引と同じだ。
また、SOR注文によって東証で取引した場合よりも有利になった場合、改善効果を約定画面で確認できる。
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