2015年7月27日以前の記事
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地銀や信金は、なぜクラウドファンディングMakuakeと提携するのか?(2/3 ページ)

地方の技術を生かした製品は従来の商流のまま、地方に埋もれたままになっていることが多い。一方で、クラウドファンディングを運営するマクアケは、優れた製品のプロジェクト化を進めたい。その架け橋となったのが、各地の地銀や信金だった。

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地銀信金が、地方の企業とMakuakeをマッチング

 この新しい資金調達方法に、地銀や信金が相次いで参画している。地方の企業が、地銀を介して、マクアケのクラウドファンディングを利用するかっこうだ。

 背景には銀行側の事情がある。長引く低金利によって地銀の収益性は悪化。既に半数が本業赤字に転落している。さらに金融庁は、銀行に事業性評価に基づく融資判断を求めている。これは、過去業績などの財務状況や、担保、保証に依存することなく、事業自体の内容や成長可能性を評価することを指す。

 これは業績や担保を中心に判断をしてきた銀行に、融資判断の転換を迫るものだ。しかし、そうしたノウハウは一朝一夕にたまるものではない。

 「地銀、信金はその地域の活性化を担うようにと地方創生の文脈で言われ始めた。結果、その地域自体を根底から盛り上げていく施策を、自治体と一緒に考えていく部署として地方創生部、地域連携部などがこの1、2年で増えた。しかし具体的な施策が打てていなかった」と、坊垣氏は地銀や信金の状況を説明する。

 そこで地銀や信金がパートナーとして組んだのがマクアケだ。2015年に城北信用金庫と提携したのを皮切りに、提携先を拡大してきた。

 地銀や信金は、企業をマクアケに紹介する。マクアケは企業を審査した上で、クラウドファンディングとしてプロジェクト化する。プロジェクトが消費者の関心を引けば、資金が調達でき、さらにこのときのデータを元に、銀行側は事業性評価を行うこともできる。実際、クラウドファンディングの結果を見て、銀行が融資額を増額する場合もあったという。


Makuakeが提携する全国の金融機関

 地域での信用力が高く、企業の実態を知り尽くしている金融機関は、いわば優秀な営業マンとして、Makuakeと企業をつなげる役目を果たしているかっこうだ。

 マクアケはプロジェクトの調達金額の2%程度を、マッチング料として紹介した銀行に支払う仕組み。それぞれが大きなリスクを負うことなく、必要な資金を調達する道が開けた。「提携している金融機関100社の中で、毎月の案件が数十件あるのはまだ数行。100倍くらいのポテンシャルがある」と、坊垣氏は広がりに自信を見せる。


金融機関が企業とマクアケをマッチングさせる仕組み

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