村上世彰を、森永卓郎の息子が直撃――「お金の恐さ」を子どもにも経験させることが重要:子どもたちに伝えたいこと(4/4 ページ)
現在シンガポールに住みながら、投資家としての活動を続けている村上世彰氏。角川ドワンゴ学園が運営する通信制高校「N高等学校」(N高)が設立した「N高投資部」の特別顧問に就任した。村上氏がN高投資部の特別顧問として生徒に伝え、教えたいことは何なのか。日本の金融教育についてどんな考え方をしているのか。その狙いについて、経済評論家の森永卓郎氏の長男で、ライターとしても活動している森永康平氏がインタビューした。
株主価値を上げてもらえるように動け
――話を戻します。村上さんは昔から一貫してコーポレート・ガバナンス(企業統治)の在り方について言及されていましたが、ここ最近の日本企業のコーポレート・ガバナンスについては、どのように感じていらっしゃいますか?
立派な制度はできました。コーポレートガバナンス・コードですね。でも魂は、株主がまだ入れ切っていないと思っています。制度自体はとてもよくできています。持ち合いについても、買収防衛策についても書いてありますからね。
でも、みんな、本来やるべきことからは逃げている。制度で決まっていることをきちんとやってもらうのは株主の役割だし、もっというと日本企業の一番の株主は、年金と日本銀行です。そういうところが、株主として株主価値を上げてもらえるように、しっかりとやってほしい。
――グローバルな視点を持つ村上さんの目には、日本企業の一番の株主である年金や日銀はどのように映っていますか?
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人, Government Pension Investment Fund)の運用トップの人はすごい人だよ。水野(弘道)さん。本来は年収何億円と取れる人が、国のために頑張ってくれている。ファンド業界では有名な人ですよ。コラーキャピタルにいたのかな。
とにかく、お金については僕から伝えるよりも、みんなに考えてほしいんです。今回の投資部では、いかに僕を利用して何をするかが大事ですよね。お金は汚いものじゃない。単なる道具なんだということを理解してもらえればうれしいです。
関連記事
- ホリエモンが政治家に頭を下げてまで「子宮頸がんワクチン」を推進する理由
ホリエモンはなぜ「子宮頸がんワクチン」を推進しているのだろうか。その裏には、政治に翻弄された「守れるはずの命」があった。 - 僕の足を引っ張らない社会を作る――ホリエモンが演劇をアップデートする理由
ホリエモンこと堀江貴文氏が主演を務め、現在公演中のミュージカル『クリスマスキャロル』。そもそもなぜホリエモンは芝居をやっているのだろうか? その真意を探った。 - DMM亀山会長がベンチャーブームに物申す「プレゼンがうまいだけの起業家が増えている」
DMM亀山敬司会長、ジーンクエストの高橋祥子社長、Gunosy の福島良典取締役 ファウンダー、セガサミーホールディングス里見治紀社長が、テクノロジーと経営について熱い議論を繰り広げた。 - DMM亀山会長大いに語る――便利さゆえに逃げられぬ「5Gの世界」
DMM亀山敬司会長、ジーンクエストの高橋祥子社長、Gunosy の福島良典取締役 ファウンダー、セガサミーホールディングス里見治紀社長が、テクノロジーと経営について熱い議論を繰り広げた。 - ドラゴンボールの生みの親 『ジャンプ』伝説の編集長が語る「嫌いな仕事で結果を出す方法」
『ドラゴンボール』の作者・鳥山明を発掘したのは『週刊少年ジャンプ』の元編集長・鳥嶋和彦さんだ。『ドラゴンクエスト』の堀井雄二さんをライターからゲームの世界に送り出すなど、「伝説」を残してきた鳥嶋さんだが、入社当時は漫画を一切読んだことがなく『ジャンプ』も大嫌いだった。自分のやりたくない仕事で、いかにして結果を出してきたのか。 - 『ジャンプ』伝説の編集長は『ドラゴンボール』をいかにして生み出したのか
『ドラゴンボール』の作者・鳥山明を発掘したのは『週刊少年ジャンプ』の元編集長である鳥嶋和彦さんだ。『ドラゴンクエスト』の堀井雄二さんをライターからゲームの世界に送り出すなど、漫画界で“伝説の編集者”と呼ばれる鳥嶋さん。今回は『ドラゴンボール』がいかにして生まれたのかをお届けする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.