「働き過ぎでおかしくなりそう」なときに効く、誰にでもできる対処法:バーンアウトは避けられる?(2/3 ページ)
「働きすぎる」→「精神を病む」→「人に操られやすくなる」→「好戦的になる」――といった負の連鎖から抜け出すための方法とは。
過度な疲れが引き起こす最初の問題
疲れていると本当に他人に扇動されやすくなる。そういう時に、自分が疲れていることに気付くのは本当に難しいのだが、イラッと来たときに「そもそも自分はいま釣られている」ということに気付けないと、いつまでたっても他人の思うつぼである。
世の中は不正や許しがたいことがあふれており、そのどれもが、長い目でみれば解消されるべき大切なことであるのは間違いない。しかし、その解消のためにあなたが扇動され、利用される必要は万に一つもない。むしろ、「ありがとう」と言うべき家族や友達、読みたい本や見たい映画など、世の中には個人にとって本当に大切なことがたくさんある。
残念ながら時間は有限だ。あなたの人生で成すべきことが一体何なのかをあらためて考えよう。少なくともそれは、他人に操られることではないのは間違いない。
積み重なったタスクが引き起こす深刻な問題
このように、「疲れていたこと」から好戦的になってしまい、人に操られていた――というのが直近までの自己分析だ。ただ、それ以前の問題として、なぜ、「冷静さを欠くレベルで疲れてしまったのか」といえば、私生活が忙しすぎたからに他ならない。
はっきり言って、中年以降の現代人の生活の忙しさは尋常ではない。若い頃と何が違うかといえば、圧倒的にマルチタスクの作業が多いのだ。そしてこれが想像以上に恐ろしい精神疲労を生み出す。若い頃は、割とライフ設計は単純だった。基本的には疲れるポイントが多くなく、どれぐらい疲れるかの程度がある程度は予測しやすかった。しかし、そこそこ歳を重ねて生活が複雑化してくると、想像以上にタスクの変数が増えてくる。仕事に家庭、人によっては、これに副業や子育てまで加わったら、多くの人はもうキャパシティーが限界になるだろう。
さらに問題なのは、タスクは積み重なるのである。これが想像以上に厄介なのだ。
想像してみてほしい。仕事で責任ある立場にある中で、家庭で子どもともめ事が起き、さらに親の介護が降り掛かったとしたら……。人間、残念ながら一度に一つのことしかできないから、ここから抜け出すためには、一つずつ問題を解決しなくてはならない。だが、いざ「何から手をつければいいのか?」と考え始めると、めまいがしてこないだろうか?
タスクを上手に処理できているうちはまだいい。けれど、一度処理が難しくなったりしたら、もうあとは積み上がるだけである。そうして人は「あれもできていない。これもできていない」とタスクの山につぶされて一歩も動けなくなり、無能感に支配されて勝手に自滅していく――。あなたの周りにもそんな人が一人くらいいるのではないだろうか?
そうなった時の対処方法はいろいろあるが、ここではあえて「タスクを減らさず、無理やり維持するためにどうすればいいか」を考えてみよう。
関連記事
- もう、やめない? 部下に理不尽強い続ける“管理職ごっこ”
「管理職らしくふるまうために、コミュニケーションの壁、情報の壁をつくる」「情報がほしければ、礼儀作法をわきまえて「お前から頭を下げてこい」な空気を作る」――会社にはびこる、こんな“管理職ごっこ”、もうやめませんか? - 「社員のやる気が失せていく」会社がやっていること
社員の士気が下がり、やる気を失っていく――。そんな会社で起こっていることとは? - 働き方改革で得する人、損する人
【お知らせ】記事本文を取り下げいたします。 - 嫌な上司、仕事ができない上司にイラつく人の共通点
嫌な上司や、苦手な上司との難しい関係をうまく乗り越えた人に話を聞いてみると、ある共通点が。そこに、苦手な人とストレスなく付き合うためのヒントが隠れていました。 - 一体感があり、風通しの良い職場のリーダーがやっていること
会議で主体的な意見が出ない、意見がバラバラでまとまらない、新しい取り組みに否定的……そんな“思考停止”な空気を変え、一体感のある、通しの良い職場をつくるには? 実践しているリーダーたちの共通点とコツを探ります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.